<宿題とは>
宿題を出すと、必ずする、時々しかしない、全くしないなど様々なタイプの生徒がいる。しない理由としては、単に面倒だから、忘れていたからという理由の他、宿題の必要性を感じられないから、他の用事で忙しかったから(宿題よりも優先すべきものがあったから)というものまで多岐に渡る。
家庭教師としては、宿題はする必要があるから出す。自学自習の姿勢や習慣を植え付けるのが第一であるのと、指導の前後に一人でやって、「わかる・わからない」をはっきりさせつつ、できる問題をやり直すことは、授業の効率化や定着のために必須だからだ。
ではどのようにすれば生徒は宿題をするようになるのだろうか。
<宿題の内容、量、出し方>
個々の目的、能力、性格に応じたものを出すことが必要である。
例えば、宿題をほとんどしない生徒に対しては「一人でもやってみようかな」と思え、自力で確実にできそうな内容や量を出す。宿題を出す時は、その日の授業ノートの最終ページに、ペンで教材名や範囲を書いたり、宿題の内容を書くためのノートを作ったりする等、必ず記録をすることが大切である。
宿題を多く出さなければならない生徒や、基本問題を全部解いてから応用問題に進むなど、順番に解く必要がある生徒に対しては、メモ書きが出来るスペースのあるカレンダーで、解いて欲しい日付の下に具体的に解くページを書くなどして、計画的に進めさせる。さらに、制限時間内で解く力をつけさせたい時には、宿題のページの横に設定時間を書いておく。
学習習慣を特につけさせたい生徒に対しては、家に帰ったらすぐにする、朝ご飯を食べる前にするなど、一日の行動の中でどういう時にするかを指示したり、毎日の予定を聞いたりして、宿題をする時間の指定をすることが有効だ。
宿題のやり忘れが多い生徒に対しては、丸つけと直しまで終わったら宿題のページを書いたカレンダーやノートに印をつけるように指導したり、朝や帰宅後など時間を決めて、宿題が出ている問題集を机の上に置いたり、宿題のページに付箋をつけたりなどし、事前の準備もいつ、何をするか細かく指示する。また、ホワイトボードに宿題のページを書いて目に付きやすい場所に置くなどし、やり忘れを防ぐことも大事だ。これらのことをやってもやり忘れる場合は、親御さんに事前に宿題の確認をして貰い、ハンコを押して貰うことなども考える。
宿題の必要性を感じないから宿題をしないという生徒に対しては、「今は必要ないと思うことでも、後々やっておいてよかったという時が来るよ」などと自分の経験や宿題の必要性を具体的に伝えたり、宿題という言葉を使わずに「次の授業の準備の為にこのページを練習しておこう」などと言い方を変えてみたりすることも有効だ。
やる気がなくてやらない生徒に対しては、宿題をすることは先生と生徒との約束だから、やっていなかったら「悲しい、残念だ」、やっていたら「嬉しい」という感情も見せて心に訴えることも必要だと思う。毎回宿題をやっていなくても根気よく出し続け、高圧的にならずに常々訴えかけることが大切である。
<宿題を出した後>
宿題を出したら次の授業の時には必ずチェックし、内容に応じて「よく頑張ったね」などと毎回評価をする。宿題が全部できていたらかわいいキャラクターのハンコを押したり、シールを渡したりすることも、生徒によっては楽しんで宿題が出来るようになるきっかけになるかもしれない。また自習の際分からなくてできなかったところには、あらかじめ付箋や印をつけておいてもらい、指導時に解説する。
宿題の管理をすることは、責任意識と信頼をはぐくむ上で、大切なことである。
<最後に>
宿題をすることを習慣化し、当たり前にしてしまえれば、気分的にも楽であると思う。宿題をしないことが習慣化される前に、早い段階から宿題を必ずすることを習慣化できるようにすることが大事である。個人差が大きいことではあるが、これからも根気強く生徒一人一人に応じて手法を変えながら、宿題を出していきたい。
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