夏休みを過ぎると、浮き足だってきて、やる気が空回りしてスランプに陥る中学受験生がいる。
けれども、地名を覚えることなら別だが、算数は、ただむやみに繰り返しの量を増やすばかりでは逆効果になってしまうことが多い。
この時期にこそ大切なことを、もう一度おさえていこう。
(1) どの受験生にとっても、大切なのは基礎力である。
基礎力のぶ厚い蓄積を手に入れて、あせらず積み上げていく気力と
体力と時間があれば、難問まで解ける力がついてくる。
(2) 間違えたときこそ、チャンス到来だ。
間違えるときは、原因がある。
基礎力の何が不足しているのか、もう一度見極めよう。
(3) 算数の得点力が不足しているほとんどの受験生は、算数を手で
解く解き方を怠っている。
誰にとっても大切なのは、文章を読み取るための○印(メモどり印)、
文章を整理して解くための作図や表、手なぞりして図を読む作業で
ある。
これらを手抜きせず実行することが、宝物の解法になる。
手で解かずに頭の中だけで解くと、ミスが多くなったり、複雑な
問題を落としてしまうのだ。
問1 (速さの基礎)を解いてみよう。
家から学校まで走っていくと、兄は8分、弟は10分かかります。今、二人とも同じペースで走って百メートル競走をする時、兄がゴールした時に、弟はゴールまで何メートルのところにいますか。
問2 (速さの応用問題)を試してみよう。
福朗君は、下りエスカレーターに乗ると、50段で下の階に着きました。次に、このエスカレ−タ−を早足で歩いて下りると、20段で着きました。下に下りてから誰も乗っていなかったのを確かめ、前から一回やってみたかった下りエスカレ−タ−を早足で上っていくことにしました。下りた時と同じペースの早足で上ると、上の階に着くには何段歩けばいいですか。
(よい子は、絶対にまねしないで下さいね。)
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