ただいま7月半ば、夏休みを待つばかりですが、受験生は気を引き締めているでしょうか。
英語を勉強しているのに、全然話せるようにならない。よく言われます。はい、事実です。なぜなのでしょう。
学校では英文を読んで、書いて、聴いて、話してますけど、通りでネイティブに話しかけると言葉すら出てこない。パニックになって頭真っ白。ほんとに変ですよね。
これ、なぜだと思います。
例えばあなたがテニスを習うとしましょう。まず、ボールとラケット、コートの名称など、いわゆる用具やルールをしっかり覚えますね。英語で言えば、単語や構文や文法を憶えますね。
次に、用具を手にして素振りをしたり、模擬練習をしたり。これは、英文を読んだり書いたり暗唱したりですね。繰り返すほど腕は上がります。
仕上げに、チーム内で練習試合。ある意味これがテストになりますでしょうか。
で、おわり。って、え?なにか足りなくない?でも学校英語の役割って、ここまでなのかもしれません。何が足りないのかって、大会に出て試合してませんよね。未知の相手と対戦してしのぎを削っていませんよ!
学校で英語を習っているのって、基礎練習で、実はそのあとの実践が足りてないんです。
学校で、挨拶を習う。”Hello, how are you?” - “Fine, and you?”発音も「へろー、はうあーゆー?」「ふぁいん、あんどゆー?」だったりする。さあこれをもって外人さん見つけて話しかける。するとこちらから話しかける間もなく「ハイ、ワッツァ?」と先制攻撃をくらう。聴いたこともない英語に面食らって意味も分からず、ただ笑顔を作って「ソーリーソーリー」と逃げてゆく、なんてことが起こってしまう。
外人さんに挑む勇気は買いますが、おあとがよろしくない。そしていつしか、英語できない思い込み症になり、苦手にもなり、テストに追われて英語が嫌いになる。学校って何やってるんだろうと思います。
この原因の一つは、よく周りを見ていないことからくると思います。学校英語はすべてではないですよ。みなさん、英語で話をしているシーンをどれだけ見ています?英語のニュース聞くでもいい、ラジオ、テレビ、ドラマ、映画、昔と違ってネットも出来て動画配信…生の英語に接することが増えました。これらに身近に接してますか。たいていが、シャットアウトではないでしょうか。
これらのメディアなどで、生の英語に接している人は、学校英語には渋い顔をしても、英語自体が嫌いになることはないのではないですか?
すこし話をかえますけど、英語って、「空耳」が大事だと思います。「空耳」とは、「堀った芋、いじるでねぇ〜」>”What time is it now?” ジョン万次郎のエピソードで出て来る、日本語が英語で聞こえたり、またその逆だったりするあれです。古くは、横浜に上陸した異国人が犬を連れてきていて、よく犬を”Come here!”と呼んでいた。これの発音は「カムヒア」ではありません。「カメア」です。これを横浜の人、「亀や!」と聞いて、洋犬は「亀」というのだと思い込み、洋犬が「亀犬(かめいぬ)」と呼ばれるようになった、という歴史は広辞苑にも載っています。
生の英語に接したとき、「空耳」をつかまえて、あとで分析して理解し、その意味でその「空耳」を英語で使う。何のことはない、聞こえたように話すだけのことですが、「空耳」は大事です。
先ほどのWhat’s up? も「ワッツッア?」です。では、「わらゆびなぷた?」って、なんだと思います?”What have you been up to?” 「最近どうしてるの?」という挨拶です。
このような「空耳」憶えて使うようにすれば、日常会話は100空耳(テンプレートですね)でこなせてしまうと豪語する先生もいます。
話を戻して、学校英語では、この「空耳」をあまり教えません。だから、みなさんから打って出て「空耳」あつめるしかありません。
生の英語を聞いて、なにいってんだこりゃ?でも大事なこといってそう、というフレーズに出会ったら、同じように言えるまでとことん練習することです。それが実際の会話で生きる英語です。
映画のシーンに合わせて言い合わせるのもよいですが、お勧めするのは、歌の歌詞、とくに早口な部分を歌いこむのもいい練習になります。 Mariah CareyのAll I want for Christmas is You.(恋人たちのクリスマス)の一節、「さんたをんちゅぶりんみざわなりりにー をんちゅぷりーぶりんまいべびとぅみー!」なんて聞き取るのも大変ですが、なんて言う英語でしょうか。ネットで調べてみてください。
さらに朗報です。最近のAIの進化に伴い、タイプした文字から人間らしい流ちょうな言葉を話すサービスが出てきました。一つ紹介すると「音読さん」」(https://ondoku3.com/ja/) です。有料版ですが短いものなら試用ができます。サイトを開いたらすぐ使えるので、最近習った英語の表現を入れてみたり、教科書丸ごと入れて読ませてみてください。機械とは思えないほど流暢です。これに使いたい表現を入れて、発音させて一緒に合わせ読み、感情入れて読めるように練習することができます。これを使って「空耳」コレクションをぜひ増やしてください。
「空耳」で「イフュワナビサンバディ イフュワナゴサメア ユベタウェカパン ペーイアテンシャン」動画>https://youtu.be/x1e5ILByw4E これ英語で書き落とせますか?
答えは”If you wanna be somebody, if you wanna go somewhere, you better wake up and pay attention.”です。
軽く解説して意味を取ると、wanna は want to の口語表現。somebody は偉大な人、go somewhereは出世する、better はhad better「したほうが良い。」,wake up 目覚める、これは眠りから目が覚ます、より、思い悩んでいる状態から抜け出す、そして、pay attentionは周りの様子をよく見ろ、井の中の蛙になるな。
解釈すると、将来大きくなりたかったら、周りをよく見ることだ。
これは映画、Sister Act2 Back in the Habit 邦題「天使にラブソングを2」の中に出て来るフレーズです。私の大好きなフレーズでよく口ずさんで歌っています。実はこれの3作目が制作決定したそうです。I just can’t wait to see it! 朗報とはこれです。失礼しました。
というわけでまとめますが、英語は学校英語がすべてではありません。やり残している部分に気づいてWake up! 広がる英語の世界にPay attention! 英語はまだまだ楽しくなりますよ。新たなる世界に向かってHere we go!
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