■前 文
以下の論文(随筆)は会話と論が同じ条件で書いてあります。考えて読んでください。
一応、行が変えてあるので参考にしてもらいたい。
■本 論
理系の受験生で化学が必要なのによく「化学の成績が上がらないんです。」と聞く。そこでこの論文は、その原因は何かということを考察することによって、化学に興味を持ち成績も向上させる一助となる論考としたい。
何が問題になっているかをはっきりさせる為にT高校のKさんとの取り組みを考えてみたい。
Kさんは、現役で医学部に合格を目指しているが、どうしても化学が苦手、成績も偏差値が40とよくない状態だった。
Kさんが言うには。目標にしているのは、家から自転車で行ける医学部です。でも化学が〜〜
まず、一番に化学が自分と相いれないのは、覚える事項があるけどそこまでいくときに、 副産物が出来るんじゃないですか。例えば、エタノールに濃硫酸を入れて130度にするとジエチルエーテルの分子間脱水、170度にするとエチレンの分子内脱水 になりますよね。 ここで問題なのは、濃硫酸をエタノール水溶液に入れますね、このとき 濃硫酸は希硫酸になってしまわないのですか?
まぁ、それは許すとして、130度のときはいいけど、170度のときはジエチルエーテルとエチレン両方とも出来るはずなのになんでエチレンだけなんですか?条件無視もいいところですよねー。とのこと、
これに対しての私の答えは、
まず、濃硫酸だけどエタノールの濃度が高いはずだから濃硫酸のままだよ、と言ったら。
そんなこと誰も教えてくれませんでしたねの一言。
さらに、170度のときこの場合は、思考実験だから瞬時に170度になるんだよね。
これに対して、そんなことも誰も教えてくれません。普通実験しかしてないし思考実験なんて知りませんよー。と続け、普通の先生は、そんな細かいことをグダグダ言っているから覚えられないし、出来ないんじゃない。と良く言われました。結構受験界で有名な人もおんなじ対応でしたね!
一応まだスッキリしないけど、何となく解りました。化学は瞬間的に事項が出来ちゃうんですねー。覚えなきゃねー。
こんなやり取りから普通と違う先生だと認識されて、どんな質問にも、向き合ってくれるんだと信じてもらえたようです。
この例から考えられるのは、覚えるべき事項は我々教師は覚えるのが当たり前だという先入観にたっており一人一人の問題が何なのかを分析していない、我々教師が化学の勉強を阻害してしまっているのだと感じてしまう。
更に、例を挙げると、
気体の状態方程式はいいんですけど、
水と気体が混じってしまうと水蒸気圧の扱いを忘れるんです。なんで気体とするときとそうじゃないときがあるんですか?と
言うことには、
容器の中に入っている水が少しでもあれば、水蒸気圧が加わる、簡単に説明すると水蒸気圧にあたる水分子が水面から蒸発して平衡になる、みんな蒸発して気体になると気体の状態方程式が適応出来るんだよね。気体は容器中の飛んでいる分子量すなわち容器の中の一つひとつの粒子によるからねー。
これに対して、
そんなことは、誰も教えてくれません。気体は容器の中の気体の分子量で決まるんですか?あー、気体は分子が一個一個がバラバラですよね。粒子だから気体の種類に関係ないのか。
のような反応であった。
これら2つの例からは、教える側の問題が垣間見える。先生側からすれば、参考書に書いてある事項を教えて覚えてもらい、問題が解ければ良い、解けないのは事項や公式を覚えられていないからだと認識されている。その覚えられない条件に向かいあっていないからだ。自分の思い込みでなくて、真の生徒の思考を見抜きたい。
最後に、3っ目の例は、
コロイドのことなんですけど、チンダル現象、ブラウン運動、電気泳動、凝析と塩析とか大きさ1nmから100nmはいいんですけど、分散媒と分散質、ゾルとゲルの区別がはっきりしないんですよ。
それに対して、
ゾルとゲルの区別は簡単だよ、シリカゲルってあるよね。お菓子に入っている白とか青とかの粒、あれって硬いよね。ってことはゲルは硬いもしくはプリプリしてる固体がゲルだよ。分散媒は溶かしているもの、分散質は溶けているものだよ。泥水は泥が質で水が媒、映画館の空間では空気が媒でホコリが質だよ。
Kさんは、
うんうん先生の例は解りやすい、でも、空気が媒のときは空気の中に水がありそれに溶けているんですよね?
私は、アンタのイメージってミセル?ホコリのまわりを水が覆っている?
Kさん、違いますょ〜。水溜りの中を泳いでいるんですよ。
私は、ハァ〜。そんなにデカかったら空気の中に浮かばないじゃん。直接空気の中にホコリが 浮いているんだよ。
Kさん、へ〜。初めて知った、こんなやり取りに普通ならないからなぁ。わたしがどんな風に思っているなんて、先生達は興味無いようだからなぁ。なんて言うか化学は化学なんですよ。
枠にはまってくださいって。化学は覚えろみたいな。
この例からは、生徒の先入観というか思い込み
は正確な知識を得ることの邪魔になる。資料を読んだら内容を日本語の通り覚えられない原因になってしまう。そして、必ず教師の対応の間違いが重なり、能力が存在する生徒を伸ばしてあげられない。これは両者共に気の毒です。
私としては、生徒が化学の面白さに触れ研究(学習)は面白そうだよなぁとかなって欲しいのです。
この論文(随筆)をここまで読んできていただいておわかりいただけると思いますが、参考書とかを勉強して自分だけで学力をつけるというならば、ありのままの意味を覚える必要があるのです。<ありのまま>、まるでアナと雪の…みたいですがこれは、実存主義に端を発しています。わたしとしては実存主義を論じようとは思っていない、ただ、ありのままを見るはマルチン.ブーバーの主張です。
元に戻りましょう。私が主張したいのは、
この論文を読んでいる方々には家庭教師によって、しっかり勉強法を学んだり疑問点を解決してもらったりしてもらいたい。家庭教師は、(私を選べと言うことを言っていない。)しっかり一対一で受け持ちの生徒を考えてくれ、能力にあった手当てをしてくれることが多いのです。
あ!、最後にKさんとこのようなやり取りをしながら2年間過ごし、今年受験しました。結局、3科目選択の帝京医学部は化学で受験し合格
昭和、東医は補欠、
聖マリ、杏林、女子医は合格
女子医に行くことになり、自分の家から自転車で行く範囲を達成しました。
強く願って正しい学習をすれば願いは叶う?
終わり |