皆さんこんにちは。今回は英語の読みと綴りの関係についてのお話です。最近の学校英語では、どうも「読む」が軽んじられてきていると感じます。教科書の英文が読めない中学生が増えました。単語の綴り練習をしっかりやっている子でも、「何と読むの」と尋ねても「読めません」との返事。もちろん読み不足が原因なのですが、これでは英語が苦痛なのは仕方ないでしょう。
英文がしっかり読めるための工夫として、今回は、綴りと発音の関係についてお話します。
-war-と-al-は[オー]と読もう。
今朝はテレビ朝日が、早朝からゴルフ中継をやっていて、ゴルフをやらない私はニュースを見たくてフジにチャンネルを変えてしまいました。休日に、ゴルフ中継ののんびりは嫌いではないのですが、月曜の朝から休日の雰囲気引っ張られては、朝からサザエさん見るようで、活力が失せますね。さて、それはそれとして、ゴルフ中継中、なかなか打たないゴルファーを見た解説者が、早く打たないと「わーにんぐ」が出ると言ってました。一応全国ネットだよな、と思って聞きましたが、この人は「warning」―警告、のつもりでそう言ったのでしょう。正しくは[ウォーニング]です。
新作がこのところ目白押しの「スターウォーズ」シリーズですが、これのエピソード4、つまり初作が出た1977年に、TBS「オーケストラがやってきた」という番組でのこと、タイアップ企画で「STAR WARS」の戦闘シーンのBGMにはどんな曲が合うのか?というのをやっていました。曲はハチャトリアンの「剣の舞」が合いますね、などとやっていましたが、司会の山本直純さんは終始[すたーわーず]と言っていました。
中学生で、「今日は暖かい」を「Today is [わーむ]」という人が多いです。英語で[ワーム]と言ったら「芋虫」です。暖かいは「warm」で[ウォーム]。運動前に体を温めることを「warming-up」[ウォーミングアップ]といいますよね。
どの例も、-war-を[わー]とローマ字読みしたのが原因です。でも不思議です。最初に音で[ウォーニング][ウォー][ウォーム]と聞いて覚えていれば間違えないはずなのですが。遣唐使が筆談で貿易していた時代と変わらないものです。
中学生で、「働く」「歩く」をそれぞれどういうか、と聞くと、[ワーク]と[ウォーク]だと答えますが、じゃぁ、どう書く?と聞くと、わからなくなる人が多いです。この時、-al-を[ウォー]と読むと知っていれば、walkが[ウォーク]と分かるはずです。
例を見てみましょう。綴りを確認して発音してみてください。
All [オール] 全部の、tall[トール]背の高い、small[スモール]小さい、talk[トーク]話す、chalk「チョーク」白墨、war[ウォー]戦争、award[アウォード]賞品、wardrobe[ウォードロウブ]洋服ダンス
問題、次の英文を、[アー]、[オー]に注意して正しく読んでみてください。
Those tall people talking on the warship are working for a walking shoes factory.
軍艦のうえで話しているあの背の高い人たちは、散歩靴の工場で働いている。
答え
ゾウズ トール ピーポー トーキング オン ザ ウォーシップ アー ワーキング フォア ア ウォーキング シューズ ファクトリ
ついでですが、無理な読み方が定着してしまった例です。「ローマの休日」の王女役で有名な、オードリー・ヘップバーンですが、綴りで書くと「Audrey Hepburn」です。ヘボン式ローマ字の考案者、ジェームズ・カーティス・ヘボン博士「James Curtis Hepburn」と同じ「Hepburn」です。ヘボンかヘップバーンか?調べるとヘボン博士のご先祖がイギリスから宗教迫害されてアメリカに移住した「サムエル・ヘップバーン」と表記されています。いやはや何とも。読めるように読んでしまって別人を作ってしまったかのようですね。
英語での発音はこちら>https://ja.forvo.com/word/audrey_hepburn/
間違っても「へっぷぶわーん」というアクセントではないです。せめて「ヘップバン」でしょうね。
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