「赤の他人」、「黄色い声」、「青二才」、日本語には色を使った表現がたくさんありますね。英語にも色を使った表現がいろいろあります。いくつか紹介してみましょう。
see red 激怒する
out of the blue 思いがけなく、突然に (晴天の霹靂)
white lie 罪のない嘘
black sheep 家族や組織の中の厄介者、面汚し
以上にあげた例は、それぞれの色の持つ固有のイメージ------red〈激しさ・怒り〉、blue〈青空・海〉、 white〈純潔・清浄〉、black〈邪悪・不吉〉------からきていて、日本人にも、直感的に理解しやすい表現ではないかと思います。
それでは次の二つの表現はどうでしょう。
yellow journalism 扇情的ジャーナリズム
blue blood 貴族、名門の出身
どちらも、なぜそのような意味になるのか、一見わかりませんよね。“yellow journalism”は、19世紀後半にアメリカの新聞、New York World とNew York Journalの2紙を批判して使われ出した言葉です。両紙が誇張した扇情的表現を使って発行部数を増やすために激しい競争をしていたのに対して、別の新聞社の編集者Erwin Wardmanが、その報道姿勢を批判して“yellow journalism”と呼んだのが始まりです。英語のyellowには「ひきょう」という意味があるため、また、当時New York Worldに掲載されていた漫画の登場人物Yellow Kidが黄色だったから、ともいわれています。
一方、“blue blood”の方は、ヨーロッパの貴族の肌の色からきています。ヨーロッパでは、貴族や裕福な家では、食事に銀の食器を使っていました。そのため上流階級の中には、銀中毒にかかって肌が青灰色に見える人が少なからずいたそうです。そこから、まるで血が青いかのような顔色をしている人々、ということでこの表現が生まれました。もちろん、戸外で労働しないため、肌が透き通るように白く、血管が青く透けて見えた、ということもあったでしょうね。
では最後に、最近よく目にする表現です。
go green 自然環境に配慮し、資源を守る行動をする
日本では、“ecology”(生態系)からきた「エコ」という言葉がよく使われますが、英語圏では、“green” が、「環境にやさしい、資源を節約する」という意味で使われることが多いようです。 |