今回は、平均的な大学受験生とおぼしき二人の会話を素材にした、「三角形の面積」についての問題です。
次の空欄に当てはまると思われる適切な、言葉、数式を記入してください。
電車の中での大学受験生のA君とB君の会話
A君:学校のテストでさ、「原点ではない異なる3点A,B,Cを結んで出来る三角形の面積を求める求め方を考えられる限り書いてください。」って問題が出たんだ。
B君:なに?それって、記述問題? 考えられる限りって言われてもなぁ・・・
お前の学校変な問題出すな。
A君:うん、まぁね。だから結構自由に書いていいんだと思って、自由に書いてきたけど、いろいろ考えたよ。
B君:なるほどね。僕なら、まず最初に、座標を与えて・・・あぁ、これは平面とも空間とも書いていないわけか・・・ということは、場合を分けないと。
A君:そうなんだ。だからまず平面で考えるということにして考えて・・・。真っ先に思い出したのが、座標をA(a1,a2)、B(b1,b2)、C(c1,c2)と与えて、例の公式、つまり原点OとA、Bで出来る面積の公式「 空欄1(数式) 」使ったんだ。この場合、Cを原点と考えれば、平行移動で、新たなAとBをとることが出来るからね。
B君:うん、そうだね。それはよくやる手だね。うちの物理の先生が、電磁気学の授業で外積とか行列のからみでも教えてくれたけど、多分それが一番早く求まるね。
A君:へぇ・・・まぁ、次に、これもよくやる手だけど、まず2点AとBを結ぶ直線の式を与え、C点からいわゆる「 空欄2(言葉) 」の公式を使って、C点から直線ABにおろした垂線の長さに、二点ABの距離をかけて2で割ればいいとね。一般論で記述したからかなりごちゃごちゃしてきたけど。
B君:なるほど、それも結構オーソドックスな解法だね。
A君:あぁ、そういえば、中学生というか小学生みたいに戻って、3点を通る長方形を作って余分な3角形を削るとか、3辺の長さを三平方の定理から計算し、直角三角形なら、底辺×高さ÷2で出せ、そうでなければ、「 空欄3 」の公式もありかなって、書いておいた。
B君:あの公式は、証明はすごく大変だけど、三辺を足して偶数とかだと、結構即効性があってうれしくなる公式だね。その反面、3辺の合計にルートが入ったりすると、あきらめることが多いけど。
A君:そうだね。あと、三角形の2辺abとその間の角θがわかれば、公式「 空欄4(数式) 」でも求まるんだろうけど、この公式を使うためには、まず3辺の長さを出して、「 空欄5(言葉) 」定理で2辺とその成す角のcosを求め、さらにそれをsinに変換して求めなければならないけど、一応そういう求め方も出来るとも書いておいた。
B君:なるほど。その流れは、国立大学の共通テストなんかで頻出だね。ところで、ベクトル的には考えなかったの?
A君:もちろん考えたよ。でもさ、 とおくと、この二つのベクトルで囲まれる三角形の面積の公式「 空欄6(数式) 」は、内積が入ってくるから、その二つ辺の成す角のsinがわからなければいけないから,また余弦定理経由ということになる。
ただ、それがめでたくわかれば、この公式も使えなくはないね。一応そういうことも書いておいたよ。
B君:有名な角度じゃなくても、三角関数表を使えば近似的には求まるね(笑)。まぁその問題は一般論だから関係ないけど。それからこの場合もABCのうちどれかを原点にもっていかないとダメだな。
A君:解答欄もそれほどなかったから、これと空間の場合も考えて書いてきたけど、先生はどれくらい期待してたのかわからないからなぁ・・・・。
B君:そうだな。まぁネットで調べればいろいろと出てるんだろうな。
と、A君とB君は、何事も無かったかのように、そそくさとカバンの中から任天堂DSを取り出して、今流行のFinal Fantasyの最新バージョンを通信でやり始めたようだ。二人は今どこを冒険しているのやら・・・。童心に返った二人であった・・・。
終わり |