今回は、英文の述語動詞を、中1の範囲から整理しておきます。
英文には、ほぼ必ず、主語と述語動詞があります。「何が〜どうなる」という意味の中心を表現している部分ですね。例文を見てください。
1) I love you. 「私はあなたを愛しています」
知らない人がいないくらいの有名な英文ですが、この分の I が 主語、 love が 述語動詞です。
述語動詞は、品詞の動詞と違います。例文を見てください。
2) You can do it! 「やれば出来る」
この文の述語動詞は、can do です。しかし、品詞を分析すれば、can が助動詞、do が動詞です。このように、品詞の動詞と違い、文における述語動詞は、複数の単語から構成されることがあり、意味的に文の述語になる単語の集まりなのです。
それでは、中学1年から、キミたちがどのような述語動詞を学んできたか復習してみましょう。
中学レベル
3) I believe you. 「私はあなたを信じています」 動詞の現在形1
述語動詞はbelieveです。これを動詞の現在形といいます。これにはバリエーションがあって、
3’) Tom believes you. 「トムはあなたを信じています」動詞の現在形2
主語が、単数のときで、I とYouではないとき(これを3人称単数といいましたね)動詞の現在形は、sのついた形になる。この約束を「3単現のS」といい、sのついた動詞を「3単現形」と呼びます。
前後しますが、1年の後半では
4) You made it! 「やったね!」動詞の過去形
過去のことを表すのに、「動詞の過去形」を学びました。
ここまでが 動詞一語で述語動詞となる場合です。しかし述語動詞は、2語以上で現れることのほうが多いのです。たとえば、
1’) Do you love me? 「愛してる?」疑問文
これは、例文1)の疑問文です。この場合、離れてしまいますが、述語動詞はDo 〜 love です。同様に、
1’’) I don’t hate you. 「きらいじゃないよ」否定文
否定文ですが、述語動詞は don’t hate です。
このように、2語で述語動詞になるものを中学範囲で学んでゆきます。どんなものを習ったか、見て行きましょう。
2) You can do it! 「やれば出来る」 助動詞+原形
述語動詞は can do。 中1で習う「助動詞」です。助動詞は、ふつう単独では述語になれないので、動詞の原形を後ろに従わせます。日本語とは語順が逆で、can ~ で 「~できる」という、意味的な引き立て役になります。
4) You are walking toward the goal. 「キミ達はゴールに向かって歩いている」 進行形
述語動詞は are walking。同じく、中1で習う「進行形」です。「be動詞 + 動詞のing形」というやつです。be動詞が現在形であれば「現在進行形」過去形だったら「過去進行形」と呼んでいます。
5) I have made my decision. 「私は決意した」現在完了形
述語動詞は have made 。中3で学ぶ「現在完了形」です。「have+動詞の過去分詞」です。この場合も、have / hasが使われていれば「現在完了形」、hadが使われていれば「過去完了形」と呼びます。
6) You are loved. 「君たちは愛されている」 受動態・受け身形
述語動詞は are loved。 中3で習う「受動態」あるいは「受け身形」。「be + 動詞の過去分詞」です。
ここまで使いこなせれば中学は満足。この先、3語レベルになると、高校レベルです。
高校レベル 練習問題をかねて、述語動詞を当ててみてください。
7) Only you could have done it! 「さすがだね」 ヒント)助動詞+have+過去分詞 8) You must be kidding? 「冗談でしょ?」 ヒント) 助動詞+be+動詞のing形 9) Something must be done. 「何とかしなければ」ヒント) 助動詞+be+動詞の過去分詞 10) He has been bouncing. 「彼は」ずっと(不調から)立ち直ろうとしてきている」
ヒント) 完了形+進行形
11) The details have been enclosed in this letter. 「詳しいことは同封の資料を」
ヒント)完了形+受動態
12) Your company is being targeted in a takeover attempt.
「あなたの会社は企業のっとりの対象にされています。」
ヒント)進行形+受動態
答え
7) 述語動詞はcould have done。助動詞couldの後なのでhaveは原形、完了形なのでdoneは過去分詞ですね。助動詞+完了形になっています。
8) 述語動詞はmust be kidding。助動詞+進行形です。
9) 述語動詞はmust be done。 助動詞+受動態です。
10) 述語動詞はhas been bouncing。完了形+進行形は、継続用法を強調するのによく使われます。中学からよく出てくる表現です。
11) 述語動詞は have been enclosed 完了形+受動態です。
12) 実後動詞は is being targeted。進行形+受動態です。中学レベルでも、受動態の書き換え問題で出てくるかもしれませんね。
いかがですか?ここまでで十分ですが、さらにマニアックを目指すなら、4語レベル〜5語レベルをどうぞ。
高校上級レベル
13) Your ears must have been burning. 「(噂されていて)くしゃみが出たでしょ」
ヒント)助動詞+完了形+進行形
14) My credit card number may have been stolen.
「私のクレジットカードナンバーが盗まれた可能性がある」
ヒント)助動詞+完了形+受動態
15) Unfortunately, so much damage has already been done? and
is still being done.
「不幸にも、これほどの被害がすでに起きた上、さらに被害は広がっている」
ヒント)2箇所
16) He must have been being interviewed.
「彼は面接の最中だったに違いない」
ヒント)助動詞+完了形+進行形+受動態
答え
13) 述語動詞は must have been burning。アメリカの一部では、噂されると耳が燃えるのだそうです。
14)述語動詞は may have been stolen。クレジットカードの番号盗難は問題ですね。
15)述語動詞は has (already) been done と is (still) being done。alreadyやstillなどの副詞が混じっていても惑わされないように。
16) 述語動詞は must have been being interviewed. 助動詞+完了形+進行形+受動態 の オンパレードです。
終わりに
じっくりと本文を読んでくださったキミには、今回の講座の不備がわかったと思います。「え?何か変でした?」というキミ、もう一度よく全体を読み直してください。
実は、完了形+進行形+受動態 の組み合わせの例文が用意できなかったのです。インターネットでGoogleかけても今のところ探せず、自分で英文を作ってもどこか変な感じ。どこかで使われている実例がありましたら、参考までにご示唆ください。ご協力お待ち申し上げます。 |