今回のe講座は、英文和訳の手順を取り上げることにしよう。
今回は動詞がたくさん出てくる英文を題材に、どの動詞がその英文全体の意味を表す主たる述語になるか順を追って考えてみることにしよう。
そのまえに、英語には5つの文型があるのは知ってるよね。
第一文型 S + V .
第二文型 S + V + C .
第三文型 S + V + O .
第四文型 S + V + O + O .
第五文型 S + V + O + C .
英文解釈するうえでこの5文型を意識して英文を眺めてみることは、英文のしくみや文意を把握するのにおおいに役立つよ。
Sから始まってVが続くという点では5つの文型全てに共通なわけだ。
語順が S + V の形になっているから、英文を見たとき S はどれで V はこれかというのがごく自然な英文の見方だね。
ところで、1つの文が長くなるのは (1):修飾語が多かったり、(2):接続詞が使われたりする場合だ。そういった文のなかで動詞がいっぱい出てくるとどれが文全体の述語なのかわからなくなることってあるよね。
では下に示す例文を使って和訳する手順を考えてみよう。
例文:
The person whom I respect is the person who loves reading and wants to create
something or discover something.
この文には動詞が respect is love want create discover と、6個も登場しているぞ。結局この英文は何を言いたいのだろう?
こういった複雑な文の場合、文を語の集まりとしてではなく、いくつかの語で作るかたまりの集まりと考えてみるといいよ。5文型の全てが S + V の形をもっていることからわかるように文の骨組みは S + V が基本。この S + V のかたまりに着目しよう。
かたまり (G1):
The person whom I respect
S + V の形を探すとしよう。 The person の直後には述語はないから しばらく放っておく。
I に対しては respect が述語ということでいいね。
whom I respect が The person を修飾しているわけだ。
これで1つ大きなかたまりができたぞ。
かたまり (G2):
is
(G1)の The person whom I respect というかたまり全体がこの is の主語のようだね。
かたまり (G3):
the person who loves reading
このかたまりの中にも S + V がある。 who loves がそれだ。
関係代名詞が導く節 who loves reading が the person を修飾している。
以上かたまり(G1)〜(G3)をまとめると、
The person whom I respect .... (G1)
is .... (G2)
the person who loves reading .... (G3)
<私の尊敬するひとというのは読書が好きなひとです。>
かたまり (G4):
and wants to create something
or discover something
このかたまりの中には、 S + V を探してみてもないね。
ところで、and, or などを等位接続詞といって、語、語句、節を対等の関係で結びつける働きをするんだ。 and, or が何と何を結びつけているかは and の直後を先にみて、その直後のものと対等のものを and のまえのほうで探すと見つけやすいよ。
この場合、 and の直後は wants 。wants は動詞の現在形だから、 and のまえのほうで対等のものを探すと (G3)の loves が良さそうだね。
or も and と同様に考えて、 or の直後の discover (動詞の原形) と対等なものを探すと create(動詞の原形)が見つかる。
構造図1は発展して、下の構造図2になる。
結局例文は、かたまり(G1)を主部、かたまり(G2)を述部、かたまり(G3)(G4)を補語とする第二文型だったんだね。
全訳: <私の尊敬するひとというのは、読書好きで何かを創造しようとしたり
何かを発見しようしたりするひとです。>
英文和訳を具体的にやってみたけど、ポイントは S + V に着目してかたまりを作って考えることだよ。是非参考にしてみてね。 |