春ですね。これから新しく、学年が始まります。また、受験へ向けて勉強開始する皆さんは、いまこそ春のエネルギーを吸収して、元気よくゴールまで目指して行きましょう。
今までずっと英語を指導してきて思うのですが、皆さんの勉強には、声に出して英語を使う機会が不足しています。英語を声に出して読んでいますか?勉強は書物とつきあう機会が多いですからどうしても声を出すことが敬遠されます。でも、英語が出来ない生徒は、ほぼ間違いなく英文が上手に音読できません。語学は、声に出して使うことがとても大事なんですよね。
しかしそうは言っても、英語を読む練習をするにはどうしたらよいのでしょうか。一番手っ取り早いのは家庭教師を頼んで定期的に「読みの練習」をすることだとは思うのですが、まぁ、それはさておき、一人きりで勉強する場合はどうしましょう。どうしてもCDなどのお手本付きの読本が必要になりますよね。中学生・高校生のみなさんであれば、学校の教科書のCDを購入してしまうのが手っ取り早い・・・と、普通なら勧めるのですが。
語学の音声補助教材といえば、昔はカセットテープでした。いまはCDです。技術は進化して便利になっているのですが、語学の学習にCDは不向きなんですね。なぜなら、少し戻って聞くと言うことが、CDでは難しいからです。テープなら巻き戻しボタンでキュルキュルでした。懐かしい感覚です。でもCDだとトラックの頭にまで戻ってしまって、無駄な部分を聞かされる羽目になってしまう。とても不便ですね。今までCDを購入してもらって宿題に出してはいても、使いづらくて生徒さんもやりたがらない。困っていました。
しかし、最近、再び語学学習に光明が見えてきました。iPodなどに代表される、デジタルデータの音声を再生する機器が登場したのです。(センター試験でも、ICプレイヤーが使われましたよね。)これは、非常に使えます。音声のデータはPCで編集も出来るうえに、携帯機器も手軽です。電車の中でも聞くことが出来ます。データの入れ替えも非常に手軽です。
デジタル音声を使って英語の音読練習に活用したらどうなるでしょう。今回はデジタル音声データを活用して、音読練習のサンプルを作ってみました。少し長めなのですが、お試し下さい。生徒さんばかりでなく、教師の方々にも教材作成のヒントになれば幸いです。
教材を作成される方々へ。
今回は、先日行われたセンター試験での音声データ(第4問Bの文章)を使用しました。(問題の全文をお知りになりたい方は大学入試センターのホームページhttp://www.dnc.ac.jp/をご覧下さい。)このデータを、BHA社のB’s Recorder 8に付属しているSound Folioを使って、すべて一文ずつに分割して練習教材を作りました。生徒さんには、この各文ごとの音声データを、再生機の1曲再生機能で何度も聞き込み・読み込みをさせると良いかと思います。
教材作成をする場合、著作権の関係がありますので、利用される教材のCDは、教師、生徒双方がご購入頂いたうえで、それを生徒さんたちに活用してください。
私は、この方法で、教科書本文、単語集の例文なども一文ごとに分割し、生徒に読み上げ課題として与えています。
練習ページ
I 以下の文章を、音声と共に、通して聞いてください。はじめはx1倍速でどうぞ。
本文 (全文音声)
x1 x2 x3 x4
In today's program I'll tell you an amazing story about something that happened in Bermuda about fifty years ago. A powerful hurricane was approaching the island, so all the people were busy preparing to protect their homes against the strong winds and high waves that were sure to hit. As the storm swept within ten miles of Bermuda's coast, the winds bent the island's palm trees down to the ground. It was such a strong hurricane that destruction on a large scale seemed certain.
Suddenly, the weather forecasters were shocked to find out that there was not one. but two powerful storms approaching the island. In fact, the first hurricane was being followed by an even more powerful one. The island appeared to be doomed.
But then a very strange thing happened. The second storm came so close to the first one that both were thrown off course. The storms changed direction and blew out to sea where they wasted their force on the empty ocean. Glorious weather returned to Bermuda. Unbelievable as it sounds, the island was saved from one hurricane by another.
II 次に各文を、意味を感じながら良く読んでください。音声と一緒について読めるようになるまで良く音読しましょう。
1
In today's program I'll tell you an amazing story
今日の番組では皆さんにびっくりするお話をしましょう
about something that happened in Bermuda about fifty years ago.
約50年前にバミューダで起こった事について
2
A powerful hurricane was approaching the island,
強力なハリケーンが島に近づいていました。
so all the people were busy preparing to protect their homes
だからすべての人たちが家を守る準備に忙しかったのです。
against the strong winds and high waves that were sure to hit.
必ずおそってくる強風と高波に対して
3
As the storm swept within ten miles of Bermuda's coast,
嵐がバミューダの海岸10マイル以内で吹き荒れると
the winds bent the island's palm trees down to the ground.
風が島の椰子の木々を地面になぎ倒しました。
4
It was such a strong hurricane
とても強いハリケーンだったので
that destruction on a large scale seemed certain.
大規模な破壊が確かなように思われました。
5
Suddenly, the weather forecasters were shocked
突然、気象予報士たちが驚きました。
to find out that there was not one. but two powerful storms approaching the island.
一つどころか二つの強力なハリケーンが島に接近中であるとわかって
6
In fact, the first hurricane was being followed by an even more powerful one.
実際に、一つ目のハリケーンのあとに、さらに強力なやつがついてきていたのです。
7
The island appeared to be doomed.
島は万事休すのように見えました。
8
But then a very strange thing happened.
しかしそのとき、とても不思議な出来事が起こりました。
9
The second storm came so close to the first one
二つ目の嵐が最初のやつにとても接近したので
that both were thrown off course.
両方の嵐がコースを外れたのです。
10
The storms changed direction and blew out to sea
嵐は方向を変え海に出て
where they wasted their force on the empty ocean.
何もない海上で勢力を失いました。
11
Glorious weather returned to Bermuda.
すばらしい天気がバミューダに戻りました。
12
Unbelievable as it sounds,
信じられない話でしょうが
the island was saved from one hurricane by another.
島は別なハリケーンによって、ハリケーンから救われたのでした。
III 全部の文がすらすら音読できるようになったら、はじめの全文に戻って、x1で最初から最後まで音読で通してみましょう。
IV I〜IIIの練習で十分ですが、さらに上を極めたい人は、x2〜x4の速聴用音声も試し、音読でついてゆけるようにがんばってみてください。
音読のコツは、すでに意味のわかっている文で行うことです。英文の意味を心で感じながら、英語を読み上げるようにしてくださいね。 |