さて、予告文でも書いた通り、英語は1つの動詞にたくさんの意味があるよね。でも、それらの意味は動詞の後にどんな言葉が続くか、すなわち文型によってある程度整理できるんだ。そこで今回は基本動詞の意味を基本文型別に整理し、例文で覚える方法を紹介しよう!
まずは、文型について軽く整理しておこう。ここで注意してもらいたいのは、英文のどこにも何文型とは書いていないということ。すなわち、はじめから“何文型だからこう訳す”という思考ではなくて、“動詞の後にこういう言葉が続いているから何文型で、何文型だからこう訳す”という思考をするということ。ただし、これから見るように、動詞の意味を文型別に整理しておけば、素早く何文型かを予測できるようになるからね 。
【SV】第一文型
基本的に動詞の後に名詞と形容詞がくっつかない文のこと。「何が、どうする」と訳すのが基本。
【SVC】第二文型
基本的に動詞の後に名詞(句・節)か形容詞(分詞を含む)がくっつく文のこと。「何が、何だ」(動詞の後が名詞のとき)、「何は、〜することだ」(動詞の後が名詞句・節のとき)「何が、どんなだ」(動詞の後が形容詞のとき)と訳すのが基本。
【SVO】第三文型
動詞の後に名詞(句・節)が1つくっつく文のこと。主語と動詞の後の名詞との間にイコール関係が成り立たない文。「何が、何を、どうする」と訳すのが基本
。
【SVO1O2】第四文型
動詞の後に名詞(句・節)が2つくっつく文のこと。2つの名詞の間にイコール関係が成り立たない文。「何が、誰に、何を、どうする」と訳すのが基本。
【SVOC】第五文型
動詞の後に名詞(句・節)が2つくっつく(2つの名詞の間にイコール関係が成り立つ)か、名詞+形容詞(分詞を含む)、名詞+動詞の原形、名詞+to+動詞の原形、という形の文。
「O=Cという状態にSはVする」と訳すのが基本。
では、いよいよ動詞の意味を文型別に整理してみよう。ここで注意してもらいたいのは、意味と訳を区別すること。というのは、基本となる意味は同じでも、場面によって日本語訳はいくらでも異なることがあるからだ。例えば、wearという単語は、服なら「着ている」だけど、眼鏡なら「かける」、帽子なら「かぶる」、靴なら「履く」、マフラーなら「巻く」などなど。でも、これらの基本となる意味は「身につけている」と一般化できるよね。この一般化した意味をおぼえるようにしてごらん。訳を覚えようとするときりがないし、それこそ日本語能力の問題になっちゃうからね。
それでははじめよう。まずは、leaveから、“出発”!
<leave>
【SV】「去る、出発する」
She left for Torino to take part in the Olympic Games.
「彼女はオリンピックに参加するためにトリノに向けて出発した。」
The bus leaves every 20 minutes. 「バスは20分おきにでています。」
【SVO】
(1)「Oを去る」
Mr. Smith leaves the office at five every day.「スミス氏は毎日5時に会社を出る。」
I'm leaving Paris for Tokyo in three days. 「3日後にパリを発って東京へ向かいます。」
He left the job. 「彼は仕事を辞めた。」
I'll leave you here. 「ここで別れよう。」
(2)「Oをあとに残す、委ねる」
I left my umbrella in the bus yesterday. 「きのう傘をバスの中に置き忘れた。」
I'll leave it to your imagination. 「ご想像にお任せします。」
Leave it to me. 「私にお任せください。」
Leave a message, please.「伝言をどうぞ」
【SVO1O2】「O1にO2を残す」
Her father left her a big fortune. 「彼女の父は彼女に巨額の財産を残した。」
Can I leave him a message? 「彼に伝言をお願いできますか。」
【SVOC】
「OをCの状態にしておく」(C=形容詞・分詞・方位副詞)
Leave me alone. 「ほっといてくれ。」
Don’t leave the door open.「ドアを開けっ放しにするな。」
Don’t leave the light on.「明かりをつけたままにするな。」
We left the riddle unsolved.「私達はその謎を未解決のままにしておいた。」
He left her waiting outside.「彼は彼女を外で待たせたままにしておいた。」
続いてgetをゲットしよう!
getの基本的意味は「選択の意思がなくても、自分のものになる・帰着する」感じ。
<get>
【SV】「達する」
We will get to the theater in twenty minutes.「後20分で劇場に着くよ。」
I 've just got here. 「今来たところです。」
He was unable to get at the grapes.「彼はぶどうに手が届かなかった。」
We got into a talk straightaway.「我々はすぐに話し始めた。」
【SVC】「〜の状態になる」(C=形容詞・分詞で名詞は不可)
get angry「怒る」get nervous「いらいらする」get well soon「すぐによくなる」
It is getting warmer and warmer day by day.「日に日に暖かくなってきている。」
get tired「疲れる」 get excited「興奮する」 get married「結婚する」
She got dressed with special care that morning.「彼女はその朝は入念に身支度をした。」
【SVO】「自分のものになる・帰着する」
I got it for nothing.「私はそれをただで手に入れた。」
“Got it?” “I’ve got it.”「分かった?」「分かった。」
I got a small insect in my eye.「目に虫が入った。」
If we divide 15 by 5, we get 3.「15を5で割れば3になる。」
【SVOC】
(1)
「OをCの状態にする」(C=形容詞・分詞・方位副詞)
He got his hands warm.「彼は手を温めた。」
I must get my son ready for school.「息子に学校へ行く支度をさせなければ。」
He went skiing and got his leg broken.「彼はスキーに行って足を折った。」
I couldn’t get the machine running.「機械が動かなかった。」
I can’t get the cork out without a corkscrew.「栓抜きがないとコルクが抜けない。」
(2)
「OにCさせる・してもらう」(C=to + 動詞の原形)
I got him to fix my clock.「彼に時計を修理させた(修理してもらった)。」
I couldn’t get him to stop smoking.「彼にタバコをやめさせられなかった。」
どうだった?このまとめもまだ完全なものとはいえないけど、参考にはなったかな?辞書を引くときにただ訳を探すのではなく、文型から意味を考え、見つけた日本語訳を文型別に分類する癖をつけるようにしてみよう。そして、できるかぎりフレーズや例文の形でストックし、何度もスピーディーに音読して丸ごと覚えるようにしてごらん。そしたら、驚くほどスラスラと英語がしゃべれるようになるかもよ! |