みなさん、こんにちは。さわやかな季節になりましたが、勉強にスポーツに活躍されていることと思います。
今回のテーマは「shouldとhad better」です。みなさんは、“should”と“had better”の意味をどのように覚えていますか。“should” は「〜するべき」、“had better”は「〜するほうがよい」という訳で、覚えている人が多いのではないでしょうか。ところが、このような覚え方では、文意が正確に理解できないことが多いのです。
“should” には、「私はあなたが〜することをおすすめしますが、あなたが実際にどうするかはあなたの自由ですよ。」という意味が根底にあります。よく言えば、あまり押し付けがましくない言い方ですし、少し突き放した言い方ともいえます。一方、“had better” は、「私はあなたが〜することを強くおすすめします。」という意味です。“had better” の方が、かなり強い口調ですし、場合によってはおせっかいに感じられることもあります。それでは、少し具体例をみてみましょう
A. You should go home right now. (あなたは今すぐ帰るべきです。)
B. You had better go home right now.(あなたは今すぐ帰るほうがよい。)
それぞれに定番の日本語訳をつけました。日本語訳を読む限りでは、AのほうがBより強い口調に感じられますね。ところが、実際の英語のニュアンスとしては、Bの方がかなり強い表現です。
実際、私が以前教えていた大学で、若い職員の方がイギリス人の教授に向かってBのように言ってしまい、教授が大変立腹されて大問題になってしまったことがありました。そのときは台風が近づいていて、「早く帰られたほうがいいですよ。」というつもりで “You had better go home right now .” と言ってしまったのだと思います。ですが、目上の方に向かって “had better” を使うと、かなり失礼な印象を与えてしまうのです。ですから、年配の教授が若い職員にこう言われて怒るのも、無理のないことでした。ただ、ここは日本ですし、少し大目にみてくれてもいいのでは、と感じたのも確かです。概してイギリスの方は、言葉遣いに関して敏感なんですね。
話が少し脱線してしまいましたが、“had better” の方が “should” より強い表現だということは理解してもらえたでしょうか。
最後に少し、“must” について触れておきます。“must” は、権威、権力のある立場の人が命令して、「あなたは〜しなければならない」と言うときに使われます。まとめてみますと、強さの順に、“must” > “had better” > “should” となります。
それでは問題を解いてみましょう。
【問題】
次の英文の空欄に、should, had better, mustのうち適切なものを入れなさい。ただしひとつの語句は1度しか使いません。
Driver: Would you tell me the way to the Green Park?
Policeman: We have a big festival today and there will be a traffic jam soon so you ( ? ) go around the inner city. By the way you ( ? ) wear your seat belt.
Driver: Oh, I’m sorry. By the way you ( ? ) zip up the fly.
注:go around 迂回する、zip up the fly ズボンのチャックをしめる。
【解答・解説】
? “had better”
警官としては市内の交通量を減らしたいわけですから、ここはかなり強く迂回することをすすめたいところです。
? “must”
警官にはシートベルト着用を命じる権力がありますね。
? “should”
「まあ、チャックを閉めるもあけるもあなたの自由だけどね」というニュアンスです。もちろん、“You must wear your seat belt.” の命令口調に対して、少し皮肉っぽく言い返しているわけです。
|