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では問題。
次の句はどれも芭蕉の俳句。 A 〜 G に鳥の名前を入れよ。
おもしろうてやがてかなしき A 舟かな
B ひとつ見つけてうれし伊良湖崎
野を横に馬ひきむけよ C
うき我をさびしがらせよ D
病 E の夜さむに落ちて旅寝かな
海くれて F の声ほのかに白し
汐越 ( しおごし ) や G 脛 ( はぎ ) ぬれて海涼し |
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鳥の名前は次のとおり。
鵜(う)
鴨(かも)
雁(がん)
閑古鳥 (かんこどり)
鷹(たか)
鶴(つる)
ほととぎす |
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鵜……………… |
夏の風物詩、長良川の鵜飼いで有名。月のない暗い夜にかがり火をたいて行う。1文字だから、字数を数えればかんたんだね。 |
鴨……………… |
代表的な水鳥。ふつう、冬鳥として秋に渡ってくる。 |
雁……………… |
やはり冬の渡り鳥。直線やV字型に整然と隊列を組んで空高く飛ぶ。 |
閑古鳥………… |
昔はカッコウのことを、鳴き声がさびしそうに聞こえたのか、こう呼んだらしい。今では「閑古鳥が鳴く」というと商売がはやらない時に使うね。 |
鷹……………… |
姿が威厳があって、孤高というのにふさわしいような鳥で、昔から人々から尊敬されてる。ことわざでも、「鳶が鷹を産む」とか「能ある鷹は爪を隠す」とか、すごくいい役回りばかりだ。 |
鶴……………… |
いうまでもなく、あの背の高い優雅な鳥。 |
ほととぎす……… |
鳴き声が「テッペンカケタカ」と聞きなされ、代表的な夏の鳥として愛され、古くから日本の文学に登場。 |
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さあ、どうだったかな? 解説まで読めばだいたいわかったと思うけど、いっしょに入れていってみよう。まず、字数からみよう。
すると、 A は「鵜」しかない。
次に、5文字のが二つ。 C と D だね。どちらも夏の鳥だけど、「さびしがらせよ」から D が「閑古鳥」と想像つくから C が「ほととぎす」。ちょっと横道してでもよく声を聞いてみたいと思ったんだろうね。残りが2文字の鳥。どれも冬の鳥だけど、群れてないし、見つけてうれしがってるところから、 B が「鷹」と見当をつける。ついでに、伊良湖(いらこ)崎は万葉の昔から鷹で有名らしい。
あとは E と F と G だが、まず、水に脛が濡れているという脚の長い姿から G が「鶴」。病(びょう)という音との相性と、隊列を組んだ渡りの群から病んで落ちこぼれた可哀想な鳥というイメージから E が「雁」ということでどうかな?
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A 鵜 B 鷹 C ほととぎす D 閑古鳥 E 雁 F 鴨 G 鶴 |
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もちろん芭蕉以外の句にも鳥は登場する。
小林一茶は生活に密着した句が多いから、鳥も自然に雀や燕など庶民に親しまれている野鳥ということになるのだろうね。
雀の子そこのけそこのけお馬が通る
夕燕我には明日のあてはなき
さて、いくらか鳥に親しんだところで、宿題のページを開いてみよう。字数が違うから答は簡単。入れたら声に出して読んで、鳥の姿を思い浮かべながら鑑賞してね。 |
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