理科では小学校、中学校、高校と同じ内容を繰り返し学ぶ。光合成・電流・化学反応などを、現象を学ぶところから始めて、段階を追ってより深くより広く学習していく。
そのため、中学校や高校で理科を好きになるきっかけがあれば、理科を得意科目に変えられる可能性は少なくない。
一方、数学では同じことを再び習うことはほとんどない。
例えば、中学校で習う扇形の面積の公式は、高校の教科書に改めて載ってはいない。
数学が苦手な生徒が、問題集の解説を読んで自習しようとしても、以前に習ったことがわかっていないと、読み進めて理解していくことは難しい。
小学校の比例・反比例の意味がわかり、グラフが書ける生徒は、中学校の一次関数・二次関数もすらすら頭に入る。そうなると、高校の微分も得意になっていく。
数学が苦手な生徒が数学を得意科目にするためには、次のことが必要である。
- 自分はどこがわかっていないのかを、しっかり見きわめること。
- 計算ミスが多い生徒は、分数の計算・正負の計算に戻って、特に引き算・割り算を多く練習すること。
- 空間ベクトルが苦手な生徒は、小学校・中学校の立体図形を丁寧に描く練習をして、自分で描いた図を基に考えること。また、座標の意味がわかっているかどうかの確認も大切。
- グラフの問題が苦手な生徒は、小学校の比例のグラフから復習してみること。
数学はわからないところに戻って学習して、新たに積み上げていくことが、回り道なようでも効果的な学習法である。
グラフも確率も図形も、自分の手を使って納得しながら作業を進めていくことで、わかることを増やしていくことが、力をつけるのに役立つと思う。
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