本学院の研修会は、創立以来50有余年の歴史と伝統に培われたものである。他業者では、看板に謳ってはいても、実際には開かれていないとか形骸化している実情が多い中、本学院は「継続は力なり」をモットーに、縷縷営営とした歩みを重ねている。
ここで、研修会の役割について、今一度各人に再認識してもらいたい。
<各界著名人の講演>
年2回、1月と7月は各分野でご活躍中のオーソリティ・専門家をお招きしている。全員が一堂に会するという機会に、有識者のレベルの高い講演を聴くことによって、家庭教師自身も興味や人間の幅を広げ、質の向上と自己研鑽につなげることをねらいとする。
不登校や引きこもり、学習障害に対するケアや、ヤル気を出させる指導法など教育的テーマは無論のこと、映画や歌舞伎、芝居など芸術表現を生業にしている方々のお話、また江戸の文化を通して「学ぶ」ということの本質に触れるご講義など、様々な刺激に接して、個々の生徒指導への活力源にしていってもらえたらと思っている。
講師の先生には、50分の講演形式でたっぷり話していただき、質疑応答の時間も臨機応変に取っている。
年2回の研修会に関しては、講演部分は公開制なので、生徒や御父兄でも講演テーマに関心のある方は、事前予約の上ご出席いただくことが可能である。
<討論形式の各会>
通常の研修会では、毎回それぞれプレゼンテーターを決め、自由にテーマを選んで20分程度、事例や経験に基づいた意見発表をしてもらい、出席者各人から質問や問題提起を引き出し、討論によって議題を深めていく。
若手とベテランが智恵やアイデアを共有しあい、とかく孤独に陥りがちな家庭教師指導に、組織の力で横のつながりをもたしていくことが図れる。悩みや解決困難な問題をなんでも言い合えるような、お互いの関係づくりとしても一役買っている。
研修とは、新人だけが必要とか、ベテランは一方的に教えを垂れるというものではない。双方が忌憚なく意見を出し合い、周りの話からなにがしか得るところを吸収していくこと。 それが、自己研鑽意欲の高いチューターを確保することにつながっていると思う。
顔が見えないネット時代だからこそ、年齢の隔てなく言葉で意思の疎通を交わすことは重要である。家庭教師に最も必要なスキルの一つが、コミュニケーション能力であるとも言えるからだ。
ただ派遣して終わりではなく、相談員・アドバイザーがご家庭と家庭教師の間を密接に取り結んで、常に目配りしているのが本学院の特色だが、研修会においても、個々の家庭教師の切実な問題にすぐさま全員が考え、特にアドバイザー・相談員は能うかぎりの経験を振り絞って、改善策や安心できる言葉を提示するという機能が、有機的に働いている。
今の研修会のスタイルに安住しマンネリ化することなく、より参加意識を高め、「学院」への思いを持ってもらえる研修会にするにはどうしたらいいかということを常に考えている。
これからも、本学院の「いま」を伝える重要なツールとして、「研修会報告」を発信し続けていきたい。
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