家庭教師の三種の神器といえば何か。かつてはファックス、手作り教材、指導報告書であったろうが、現在の三種の神器を考えるなら、情報管理ツール、オリジナル教材、記録ツールとして、曰く携帯機器(電話含む)、問題データベース、モニターレポートということになろうか。
情報管理ツールは、進化が目覚ましい。かつては、電報・電話・テレックス。現在は、インターネット・Eメール・クラウド。端末機器としては、ネットブック・iPad・スマートフォン。メディアも紙からDVD・Blu-Ray 、ストレージ装置はハードディスクからSDCard・USBメモリカード・クラウドなど、先端機器が開発、廉価販売される。
しかしその中で、いまだに活躍しているのがファックスである。かつての熱転写方式がインクジェットやレーザープリントになったといえ、出来上がった紙のメッセージが自宅の機械に届く様は、生徒や親に対する即効薬は絶大である。大量配布には不向きだが、一人の生徒を相手にする家庭教師には今なお健在な神器である。
手作り教材と言えば、かつて達筆な先生が作られた問題プリントには感動もあった。現在は、情報量が大きくなり、コピー、ダウンロード情報等の手段は欠かせなくなっている。が、いまだに紙ベースの教材は健在だ。その生徒だけに作られたという個別性のアピールはとても効果が大きい。
最後に、今も昔も変わらないのが、報告書の姿である。学院は今でも原則手書きのモニターレポートで、郵送でのやり取りが基本になっている。心を込めた、生徒一人一人のための報告書にこめられた家庭教師の真心と熱意は、見る側にとってもなにがしかの感動を呼び起こすだろう。
家庭教師は職人である。廉価多売する商工業者とは異なり、高価であっても、それだけの価値と信頼を認めて、末永くつきあっていけると思わせるような存在であらねばならない。
その価値を守り、業界のパイオニアとして君臨し続ける学院に対し、敬意と感謝の気持ちは尽きない。
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