以上を踏まえて授業とファックスで実践指導を行った。回を重ねるごとによい作文が書けるようになってきた。課題作文を書くことで、漠然としていた自分の考えを論理的に整理し、深めていく方法を自分のものにすることができてきた。
どんなにすばらしい作文でも、時間切れではなんにもならない。書くことを決め、構成し、限られた時間で書き上げるといった「時間とのたたかい」も要求される。こうした訓練は、作文だけではなく、適性検査の論述解答(ほとんどの設問が、記述で解答することを求めている)にも適い、与えられた情報を一面から見るのではなく、多角的な視点で思考する態度が身につくようになった。
作文力もついたところで、模試に挑戦させた。模試では、緊張感、時間配分などを体験し、結果を自信につなげるようアドバイスした。
2月3日の入試で合格を勝ち取ったが、その一因に児童の12年間の豊かな生活体験があったように思われる。
来年度以降も公立中高一貫校への家庭内の関心は高い状況が続くと思われる。大手の進学塾も専門コースを設けているが、児童の能力に応じた作文指導はプロによる個別指導が最適であろう。私たち学院の教師は、入試に対応できる個別指導のプロとして、即戦的指導力を身につけておく必要があると思う。 |