我々家庭教師が、幼児(ここでは幼稚園児までの未就学児童としておく)への指導を依頼された場合、いかなる目的をもって指導に当たるべきか。勿論、幼稚園受験や小学校受験という明確な目標があれば、受験に必要な対策を行えばよい。ただし、中学受験以降の受験と違い、幼児に対しては抽象概念ではなく、具体物を通した体験的学習を心がけることが重要である。一方、受験という明確な目標がない場合、そもそも家庭教師の依頼自体が稀であろうが、いざ、指導となった場合に何を心がけるべきか。結論から述べると、その生徒が将来しっかりと学習しているだけの器、すなわち「脳力」を鍛えておくことだと考える。この意味での幼児教育は、実は受験をするかしないかに拘らず、本来全ての人間にとって、成長のプロセスの中で必要不可欠な訓練ではないかと思われる。 |