報告は、通例に則り前半30分は講師の報告、後半30分は出席された先生方の現場での授業報告という形式をとった。
前半は、テーマについて、?@プリント資料の「数学問題」の説明、?A現場の状況説明、?B対処方法、という順序で話した。
御家庭に行くと、「入試問題はそれほど難しくはない、しかし授業に使用される問題集は極めて難解なレベルである」という実情にたびたび出くわす。このため、生徒は学校の授業中に、居眠りをしているとか、別教科の勉強をしているとか、こういう事態が起こりがちである。
御家庭は、中間試験、期末試験の成績が悪くて落第する事態を避けてくれるよう要望される。
対策としては、まず公式と定義の整理が挙げられる。志望する学校がどれほどに高くても、公式や定義を度外視することはできない。この点をよく説明することが大切と考える。
後半30分は、出席された先生方の貴重な経験が報告された。
小学生を担当されている先生からは、理解の遅れているお子さんには『絵コンテ読解』とか『お絵かき計算』など、授業における工夫のことが話された。
中学生を担当されている先生からは、中学受験を経てきたお子さんにときどき、計算過程を抜いて答だけを書く生徒がいる、それが計算ミスにつながるので、このお子さんにはやはりきちんと計算式を書くようにする、この目標をかかげているということだった。
今回の研究会では、次の2点が特に重要であるといえる。
・中学、高校、という課程を経ていくに従い、問題の内容が高くなり、それにつれ、単に答だけ
を書くというやり方では問題の解き方に結びつかない、従って、計算過程が重要である。
・公式の整理、定義の整理、次いで解法の整理がある。
計算のミスということでもいろいろと意見が交わされた。
家庭教師は学校や塾などの授業についていけないお子さんと出会う機会が多く、こうしたお子さんの問題点の一つは計算ミスである。
各先生方は授業に工夫されておられて、今回の研修会はたいへん有意義であった。
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