?@家庭内の人間関係(家族関係)に問題を抱えているケース
・たとえ家族関係の問題が生徒の学習面の障害の最も大きな要因であっても、不用意にそのことに触れるべきではない。十分留意しながらも学習面のサポートに全力を尽くし、障害の軽減に努めるようにする。
・ご家庭から家族関係の問題について相談された時には、ひとりよがりな対応をせず、必ず教育相談員・教育アドバイザーの協力を得て対応する。
?A学習障害が疑われるケース
・指導過程で学習障害が疑われる時には、まず教育相談員・教育アドバイザーに生徒の様子を詳しく報告し、対応の仕方を相談する。“学習障害”という言葉は、ご家庭に大きなショックを与えることもあるので、不用意に口にしない。
・学習障害のあるお子さんの指導にあたっては、通常の指導経路にこだわらず、お子さんができることから学習を始め、学習に対する不安、拒絶意識を取り除くようにする。
※《研修参加者からの推薦図書》
『発達障害の子どもたち』 杉山登志郎 著 (講談社現代新書)
?B不登校・ひきこもりのケース
・ご家庭の「早く学校に通うようになって欲しい」という切実な思いには十分配慮しなければならない。しかし、安易に復帰を急ぐことは逆効果となるおそれがあり、ご家庭には、この点を十分ご理解いただくよう努める。
・指導にあたっては、家庭教師への信頼を醸成することを最優先に考え、学校への復帰を勧めるなどの意見の押し付けは控える。
・受験生の場合には、新しい学校がそれまでの生活状況を変える良いきっかけとなりうる。進路相談にあたっては、お子さんの“居場所”を見つけてあげることが大切である。
?Cいわゆる「素行が悪い」生徒のケース
・こうした生徒の場合、大人に対する不信感が強いことが多いので、まず家庭教師への信頼の醸成が必要である。たとえば、生活習慣の乱れには、“お説教”ではなく“心配”を砕くなど生徒側に立った対応が大切である。
・「素行が悪い」というレッテルに振り回されずに、生徒の良い面に目を向け評価する。
・学校の指導や対応への不信等から、学校とのコミュニケーションに消極的なご家庭もあるが、特に、生徒が受験生の場合、学校に積極的に働きかけるようアドバイスすることは重要である。 |