|
|
|
|
1973年ムンバイ(旧ボンベイ)生まれ。ムンバイ大学心理学科卒業。卒後同大学で経営学修士取得。
高校時代から日本の映画(特に黒澤明監督作品)に興味を持ち、日本への関心が高まる。ムンバイの日本語学校へ週に1度くらい通い、日本語の弁論大会で優勝。その賞品として1993年初来日、横浜にて短期ホームステイ。その後、1998年に再来日し、IT企業の技術、営業、経営に8年務める。
2006年7月にオープンした在日インド人学校グローバル・インディアン・インターナショナル・スクールGIIS東京校を設立し日本代表となる。
著作・TVを通じ、インド式算数術を日本に広める活動を行なっている。
|
|
インドは教育熱心で教育水準が高いというイメージがあるが、その背景として、インドの哲学において、「人生の最大の目標は知識を得ること」という考え方がある。
インドでは、親元を離れ勉強して、やっと一人前と認められる。
学歴社会であることからできるだけ高学歴をめざして勉強し、頭脳労働に就いている人の方が社会的評価は高い。
また、芸術・音楽・文学・スポーツでは飯が食えないという事情もあるが、特に理数教育にウェイトをおき、理系分野のエリート育成に力を尽くしている。
インドでは「ゆとり」の概念はなく、世界のどこでも通用する学力を身につけさすために、公式のカリキュラムに則り、早期からいろいろな基礎をしっかりとやっていく。
学校の中で一番大事な役割は、「学力」を「鍛える」ことであり、人間形成は家庭の力という考えが徹底している。
「0の発見」など、算数や数学と長く深く付き合ってきた国としてのプライドも高く、自然に算数教育には力が入ってしまうようだ。
しかし、そうだからといって、子供に過度なストレスがかかって苦しんでいるわけでもない。できるだけ早く答えにたどり着くための、中間ステップを省略したやり方が、計算を楽で簡単なものにしているからだろう。
小学校で教わる九九は、親は30×30まで覚えている。
小学校に上がる前からいろいろなことを暗記しなさいという家の習慣があり、私の場合も、毎晩夕食前に暗記させられ、食べたい一心から数字アレルギーを起こす前に覚えてしまっていた。
日本の子供達の算数離れを嘆く声がよくきかれるが、インド算数を学べば、もしかしたら「算数嫌い」がなくなるかもしれない。
インドでは、誰もが簡単には得られない専門知識を、一般常識や一般知識を超えた「秘密知識」と呼ぶ。
その昔、インドの計算師というのは電卓代わりの人だった。やり方は、できるだけ筆算を使わずに、頭の中でパッと答えを出すというものだ。
日本でも和算や算盤を全員が知っているわけではないように、インドでも学校では普通に教えるのは筆算である。インド式算数術は、教科書には載っていないが、知っていると得なので、家庭などで広く教えられているようである。
もし算数指導に生かすとしたら、興味を惹きつけ、算数嫌いにならないように、こんなのもできるという味付けでつかうとよいだろう。
0の場合も、発明ではなく発見であるという学説がある。数学は<発見>である。
子供達に、<発見>の面白さを学ばせていきたい。
|
|
(この後ニヤンタ先生からは、インド式速算術の具体的なやり方もご提示いただきました。詳しくお知りになりたい方は、以下のニヤンタ先生の著作でご覧になって下さい。)
『インド式たし算かけ算ます目』(小学館)
『脳をきたえるインド数学ドリル〜入門編』(日東書院本社)
『脳をきたえるインド数学〜中級編』(日東書院本社)
|
|