宿題は、学校や塾においても大きな意味をもっていますが、私たち家庭教師にとっても、週1、2回しかできない授業を補うと同時に、個人個人に適した内容を選び、管理してあげることによって、個別指導のメリットが最も発揮できる重要な部分でもあります。
また、授業とは別に、授業の復習、演習を先生のいない時に生徒一人で行うという部分にも大きな意味があります。結果をチェックすることで、指導者側だけでなく生徒自身も本人の力を確認することができます。さらに、英単語などの暗記ものなど、次回までにどこまで覚えておくのか目標を定めてあげることで、生徒が勉強しやすくしてあげることが出来ます。
宿題の内容、出題方法での重要点
個別指導の場合、指導中に気付いた点をすぐに宿題の内容に反映させてやっていきます。本人がどこでつまずき易いか、まだどんな演習が必要であり補強すべきか、的確な教材を選んであげてこそ、その生徒だけのための指導の延長線が引ける事になります。そのために、それぞれの生徒の指導中に細かくメモなどをとり、あとで授業中出来なかった問題を抜き出すなどして、その生徒にとって必要と思われる最良の教材を選んであげられるようにします。可能な場合はこちらでパソコンを使ったり、または手書きでオリジナルの宿題を作ったりし、本人の名前や、それをこなす日付の割り振りなどを入れてあげるのも効果的と思われます。
研修会の中で問題となったのは、塾や学校の宿題の量が多いとき、こちらの宿題の調整をどうするか、というものでした。本人は勿論、ご家庭の理解を得るのも難しいところですが、個別指導においては、基礎学力補強をも含めた、本人に一番合った宿題を出しているので、是非とも一番ウェイトをおいてほしいところです。本人なりには塾や学校の宿題の方が「絶対」となりがちですが、長い目でみると必ず真の力に繋がるので、私たちの宿題を是非ご家庭にもご理解いただき、やり続けていただきたいものです。
宿題の徹底
内容と共にとても大切なのは、宿題の徹底です。忘れてしまう生徒も多いので、付箋、宿題を確認するメモ、小学生などでご家庭に多く関与していただける場合には、ホワイトボードに書き出すなど、いろいろな方法で忘れられない様にします。中にはなかなかやらない生徒もいますが、とにかく出来るだけ根気良く出し続け、習慣化していきます。
この問題は一番どの先生も悩むところのようでした。やった宿題をFaxなどで送り返してくれる場合は全く問題ありませんが、やはり電話やメールでの確認が必要な様でした。
電話で単語などの暗記チェックをして成功している例もある一方、高校生位になると、強制されるのを嫌い逆効果になる事もあるので、本人の反応を見ながらやる気になるのを辛抱強く待ったり、復習のチェックをしたりにとどめ、宿題という形であえて出さないことで、本人の自発的な復習を促し、成功した例も挙げられました。
答え合わせは一回で出来たときは赤○、二回目は青○など、後で出来なかった問題がひと目で解る様にするなどの工夫もあります。連絡帳を、出来たかどうかのチェックに使って、上手くいったという報告もありました。
宿題について改めて考え、ほかの先生方の体験を通した意見を伺う事によって宿題の大切さ、また個別指導ならでわの宿題の重要性と難しさを再確認することになりました。
週1,2回の授業とは言っても、その時その時だけの「点」の授業ではありません。常に本人に適した宿題を出し、確認などで繋がりを保つ事によって授業と授業の間も「線」で繋がる授業となり、それによって本当の個別指導が成り立つといえるでしょう。その意味で宿題は大切な役割をはたしており、さらによりよい宿題の検討をしていこうとの認識を新たにできた研修会となりました。
|