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勉強とはそもそも子どもにとって楽しいものではない。勉強することが好きで好きでたまらない子どもというのはめったにお目にかかれるものではない。嫌なことをするには、当面の目標がないとならない。 そこで、当面勉強するきっかけになることとは何か。親は、反抗的で勉強する気のない子にどう対処したらよいか。ここに1500 人の小中高生を対象に行った調査結果があるが、母親が泣いてヒステリックに勉強しないとだめだというのは、全くの逆効果である。では父親の出番かというと、めったに口を出さない父親が言っても大して効き目はない。 一番の特効薬はというと、徹底的にほめることである。ほめることはイコール甘やかすことではない。アメリカでは、ボランティア活動や家の手伝い等、子どもの行為に対しての前向きなプラス評価がよくみられるが、日本の親というのは余り子どもをほめていない。世界的にみても断トツに子どもへの不満足感(かなりの部分成績に関する)が強いのである。例えば40 点の子が50 点とっても平均60 点だと叱る。10 点でも伸びたらまずほめるということが大事なのである。 次に子どもは、学校の授業がわかるという状態が続くとやる気になる。人が思っている程子どもは勉強力がないわけではない。子どもをつぶすのは簡単で、わからない授業をすれば途端にできなくなりやる気も失う。授業がわかるかどうかは、授業の構成力と指導力=先生の工夫と熱意にかかっているのだ。 現在、平均的小学生の7割、中学生の5割、高校生の3割しか授業についていけない(いわゆる七五三)という驚くべきデータがある。これは正に学力問題の本質に関わることである。指導要領改訂の基本線は手っ取り早くいえば教える内容を10 から8 にするということだが、学力低下を叫ぶ人達は、子どもの状態がわかっていない。10 のうち7 しかわからない子に12 やらせても、8 や9 わかるわけがない。 今の親は、自分自身受験で苦労してるから、最低これだけは覚えればよいというポイントがわかるはずだ。定期テストでどこが出るかがわかれば、そこだけみっちり勉強させてやればよい。仮に親の手に余る場合には、専門家の助けを必要とするのも一案だろう。
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