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2004年
> 学習意欲をいかに向上させるか 特別講師:群馬県立女子大学長 富岡 賢治 先生
群馬県に生まれる。1969年に東京大学法学部を卒業。同年、文部省に入省。文部省では、文部省総務審議官、文部省生涯学習局長を歴任。その後は、国立教育研究所
所長、財団法人日本国際教育協会理事長という重責を担う。現在は、群馬県立女子大学長。
著書は『野外教育へのいざない』、『「突発性攻撃的行動及び衝動」を示す子どもの発達過程に関する研究』、『学習意欲に関する調査研究』、『勉強力を引き出す30
のヒント(小学館)』など多数。
今の教育の一番の問題は学力問題である。日本の子どもは勉強する意欲が、世界でも断トツに低い。その最大の原因は、子どもが夢や目標を持ちにくい社会だからということに尽きる。将来何になりたいかというアンケート調査で、決まって上位にくるのは1スポーツ選手・タレント(昔から変わらず)、2政治家・医者・弁護士(勉強しないとなれない職業)、3看護士・保母・先生(古典的憧れの職業)だが、2の専門職に対してメディアのイメージによる悪い印象から憧れ感が薄らぎ、勉強することの意味、目標を立てづらい。
勉強とはそもそも子どもにとって楽しいものではない。勉強することが好きで好きでたまらない子どもというのはめったにお目にかかれるものではない。嫌なことをするには、当面の目標がないとならない。
そこで、当面勉強するきっかけになることとは何か。親は、反抗的で勉強する気のない子にどう対処したらよいか。ここに1500 人の小中高生を対象に行った調査結果があるが、母親が泣いてヒステリックに勉強しないとだめだというのは、全くの逆効果である。では父親の出番かというと、めったに口を出さない父親が言っても大して効き目はない。
一番の特効薬はというと、徹底的にほめることである。ほめることはイコール甘やかすことではない。アメリカでは、ボランティア活動や家の手伝い等、子どもの行為に対しての前向きなプラス評価がよくみられるが、日本の親というのは余り子どもをほめていない。世界的にみても断トツに子どもへの不満足感(かなりの部分成績に関する)が強いのである。例えば40 点の子が50 点とっても平均60 点だと叱る。10 点でも伸びたらまずほめるということが大事なのである。
次に子どもは、学校の授業がわかるという状態が続くとやる気になる。人が思っている程子どもは勉強力がないわけではない。子どもをつぶすのは簡単で、わからない授業をすれば途端にできなくなりやる気も失う。授業がわかるかどうかは、授業の構成力と指導力=先生の工夫と熱意にかかっているのだ。
現在、平均的小学生の7割、中学生の5割、高校生の3割しか授業についていけない(いわゆる七五三)という驚くべきデータがある。これは正に学力問題の本質に関わることである。指導要領改訂の基本線は手っ取り早くいえば教える内容を10 から8 にするということだが、学力低下を叫ぶ人達は、子どもの状態がわかっていない。10 のうち7 しかわからない子に12 やらせても、8 や9 わかるわけがない。
今の親は、自分自身受験で苦労してるから、最低これだけは覚えればよいというポイントがわかるはずだ。定期テストでどこが出るかがわかれば、そこだけみっちり勉強させてやればよい。仮に親の手に余る場合には、専門家の助けを必要とするのも一案だろう。
子どもは、本来勉強だけに向くようにはできていない。友達作りは成長の上で大きな意味を持つが、勉強の動機付けとしてでも、自然と友達ができるような場に誘い込むことが望ましい。大手塾などで、最近は野外学習をとりいれるようになったのもそうした一環だろう。自然のなかで生き物に触れ合う体験をするなかで、個性ある選択肢にめざめ、一生を決めるきっかけになったほどやる気の出た子もいる。
最後に、最近の子どものキレルという現象についてだが、ごく普通の子が突然金属バットを持つことをキレルと称する。過去にキレて今は立ち直ったというケースもあるが、キレル子どもの生育歴はほとんど家庭不和(家庭内緊張関係)である。
キレてるとは頭が真っ白になることだが、子どもは普段から鍛えられていないと「馬鹿だ」と言われただけで頭が真っ白になる。大切なのは子どもが能動的に何かできるような環境を親が与えてやることで、勉強に関してなら家庭教師は有効な特効薬となろう。