私たち学院の家庭教師は、一流大学受験から学業不振児まで、さまざまな依頼を受ける。
今回は、「家庭教師に求められているものは何か」を考えてみたい。
求められる要因はさまざまであるが、共通していえることは依頼された生徒の「ほんとうの学力をのばすこと」であろう。ほんとうの学力をのばすためには、「授業内容の充実・質の高い授業」は言うまでもないことだが、学院の教師に求められているものは、授業以外にもある。指導時間外の管理を十分にすることで、週1回の授業も驚くほどの効果があらわれる。
家庭とのパイプを太く
限られた時間内での指導で最大の学習効果をあげるためには、家庭と教師との密接な関係が必要とされる。
教師は、その日の授業内容と生徒の学習状態とを家庭に報告し、次回までの課題を伝えることが望ましい。情況を報告することで、より適切な家庭学習がなされるのだ。そのためには、授業終了後の家庭との対話を大切にしたい。
その際忘れてならないのは、生徒に「やる気」を起こさせるようにアドバイスすることだ。学習意欲を高め、課題に前向きに立ち向かわせるために、家庭教師は言葉を選んで対話するよう心がけたい。
生徒が同席している場合は、まず長所をほめ、つぎに改めたいことを指摘する。母親だけの場合は、生徒の指導に必要ならば、日常生活から親子関係までふみこんだ話をしていくことも考えられよう。
また、両親が多忙で、対話が滞りがちな家庭には、その日の授業が一目でわかる「指導ノート」の活用をすすめたい。形式は各自の工夫にまかせるが、指導内容を明確にし、生徒の学習理解度に留意したノートを作ってほしい。
指導内容の定着をはかる
学習の総まとめとして宿題を活かしたい。次回は次の課題に進むのだから、復習に重点をおいたものが望ましい。宿題で理解度もチェックできる。
また、やる気のない生徒には電話やファックスで宿題の進み具合を確認することも必要である。電話することで生徒の日常の時間管理が出来るし、生徒との関係が密になるという利点もある。
宿題は、学習の達成感を持たせることがポイントである。内容を吟味し、生徒の学力に合ったものを選ぼう。
学習したことを形として残す
具体的には、教科ごとに「まちがいノート」を作り、誤ったものはそのつど分野別にノートに整理することが望ましい。くり返し学習することで知識を定着させるようにする(カードの活用も同じ)。
また、結果を表やグラフに表すことも大切だ。視覚を通して学習の結果が一瞥出来るので、学習意欲の向上に結びつく。
一週間、または一日の課題を列挙する方法もある。達成出来た課題をぬりつぶしていくことで、やる気を起こさせていく。 家庭教師が各人の工夫で学習したことを形として残していこう。それは、生徒にとってかけがいのないものになるはずである。
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