5月は気候も良く、屋外の活動が気持ちの良い時期。ゴールデン・ウィークもあり、勉強以外のことへ興味が向かいがちだ。また、5月病という言葉もあるように、5月は学習意欲が低下してしまうことがありがちではないだろうか。
やる気の低下のいくつかの原因と、その対策を考えてみよう。
5月病について
5月病は俗称で、専門医の間では「アパシー・シンドローム(無気力症候群)」と呼ばれる。新入生や新入社員に見られる症状で、環境の変化、新しい人間関係や仕事に対するストレス、合格という目標を達成してしまい目標を見失った状態、学校や職場への失望感、等々の原因により、意欲が低下し、無気力な状態に陥ってしまうことだ。
もともと大学生に対して使われた言葉だが、受験を終えた中学生、高校生にもこのような症状が現れる危険性はある。
しかし、多くの場合、これらは一時的なもので、新しい環境に適応し、新たな目標を見つけ出すことで克服されていくので、さほど心配しなくてもよいだろう。
学力不振
できないからやりたくない。
勉強に対してやる気がでない原因の第1位ではないだろうか。
こういうときこそ家庭教師の出番だ。基礎から一歩一歩、できることを増やしていこう。
たとえば,算数においてはまず計算力だ。計算に自信がないこと、イコール、算数嫌い、と言ってもよいだろう。
計算が苦手な生徒には、毎回ドリルをやらせる。時間を計ってやらせることで集中力をつけたり、成績を表にして達成感をもたせたりしながら、継続して行う。計算に自信がついてくると、算数に積極的に取り組むようになってくる。
家庭環境、精神的な問題
父子家庭の生徒を担当した家庭教師は、父親と子供のコミニュケーション不足がいろいろな問題の原因となっていると考えて、父親と話し合って、子供と過ごす時間を多くするようにしてもらったそうだ。
ご家族の不幸で精神的ショックを受けた生徒の場合、家庭教師が相談相手となり、立ち直るのを助けた。
不登校の生徒を託された家庭教師もいる。この家庭教師は、家庭教師がどのような役割をすべきかということをご両親と話し合った上で、まずは生徒の話し相手となり、生徒が精神的に安定するように辛抱強く接している。
やる気がでないのは、たんに気分が乗らないということではなく、以上みてきたような何らかの原因がある。
生徒の抱える問題点を見抜いて、生徒とともに、やる気を妨げている障害を克服していくことが、やる気を引き出す指導なのである。
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