今夏、特訓を行った医学部希望の生徒について、具体的に3つの過程を述べる。
(一)夏期集中講義(特訓授業)の効果について
今回の生徒は浪人一年目で、予備校に通っているが数学の成績が一向に上がらず、今まで指導を受けた学生家庭教師の効果が無かったという問題を抱えていた。そして、夏休み中の特訓だけで、弱点を克服し、模試に対応できるようになりたいとの希望があり、まず、9回の特別授業を5回と4回に分け、前半5回で「数?T・A・?U・B」の対策、後半4回で「数?V」の対策を行った。
生徒は「数?T・A・?U・B」では、「2次関数」、「指数・対数関数」、「三角関数」の範囲が未消化だったので、まず前半5回で、それらを整理した。「数?V」については、「極限値を求める」、「対数・指数の微分」、「定積分計算」などが不備だったので後半4回で指導した。この夏期特訓の成果は、その直後の学内模試で分かった。それは、『今までは、分からなかったり、解けなかったりして、問題を解く気力がわかなかったため、試験時間が余っていた。でも今回は、時間が足りなくて困った。』と、生徒が手応えを語っていたからだ。
(二) 授業の継続について
生徒は、自分の実力が安定して上昇してきていることを自覚し始めた。そして、「数?V」の範囲はまだ不十分なので、授業を継続したいとの申し出があった。継続後、一回目の授業で簡単な小テストを行った時、個々の知識は、ある程度積み重なってきているが、それらの知識が複数の範囲にまたがる問題のときに連携させることができない、という点に気づいた。その後、各章の内容を理解するにつれて、計算力がつき、以前と比較にならないほど計算が速くなった。
(三) 入試までの4ヶ月間のカリキュラムについて
入試までの期間(4ヶ月余)は、前半は「数?V」の授業をすることにした。医大入試では、「数?V」が必ず出題されるので、この範囲をきちんと勉強しておくことは、生徒にとっても自信となる。12月、1月は志望大学の過去問を勉強し、今後も、生徒自身の強い要望に沿って指導する予定である。 |