受験指導の場合、すでに志望校を決定しているご家庭がほとんどである。この場合、入試までに実力を向上させ合格に導くのが合格請負人たる家庭教師の腕の見せ所といえる。生徒の努力や指導効果により学力が向上し、ご家庭(両親・本人)の希望する志望校に挑戦する場合、生徒が出来る所から徐々に過去問を解かせ、出題傾向に合った指導をして、志望校の入試問題に対して手応えと自信を持たせることが大切である。
しかし、予定通りに学力が向上しなかった場合、希望校レベルに達しない生徒をいかに合格させるかという問題が出てくる。特に中学、高校入試は入試日が重複するために志望校の変更が必要となる。再度、志望校を考え直す場合、色々な要素を考慮しなければならないので、その手順を示しておく。
- 模試・経験・生徒の授業中の態度などで真の実力を見きわめる。
- 塾・予備校の成績・模試の成績を分析し、入試までのスケジュールと併願パターンを作成し、ご家庭に示す。
- ご家庭が「どのような合格」を希望しているかを判断し、入試モデル・併願パターンを示す。ご家庭の希望には、「今回の入試で絶対合格を望むケース」、「あるレベル以上の有名校への合格を望むケース」、「ある特定校への合格を望むケース」などがある。
- 入試の場合、上で示したご家庭の考え方で対応も様々であるが、「リスクが多い場合と少ない場合」があるので必ずご家庭に示し確認すること。
- 再度、志望校に変更が出た場合、合格するための併願パターンを示す。(もちろん、変更がなくとも最適な併願パターンを示すことは当然である。)
以上、志望校選定の一つの案を示したが、それぞれのご家庭で立場の違いがあるので、すべての要素を考えた志望校の選定をしてもらいたい。そのためには、日々の努力で、ご家庭から十分な信頼を勝ち取るように行動することが重要である。 |