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夏休みは、普段と異なり時間の余裕があるので、弱点補強や過去問演習、そして、学校の授業の予習・復習にじっくり取り組める時期だ。だから、夏休みを十分活用できた生徒の場合、実力はついてきているはずであり、2学期は、志望校を選定し、応用力の養成に取り組むことができる。
ただし、受験生の場合、塾や予備校の授業との関係が難しい。特に小・中学生の場合、塾は難関校対策のため、難しい問題を選ぶ傾向がある。受験校によっては、その問題をやる必要があるのかどうか、過去問を十分に検討し、無駄のない学習をさせていかなければならない。大学受験生の場合も、予備校の全講座を受講するべきかどうか、受験校の出題傾向と照らし合わせていかなければならないだろう。 夏休みの充実度が今ひとつの生徒の場合、目標としてきた志望校の合格がかなり厳しくなる。志望校選定にあたっては、ご家庭(両親、本人)とよく話し合うことが必要である。全員が納得する受験校を選定することがまず大前提であろう。 その上で、2学期の学習をしていくわけだが、受験まで残された時間は限られている。したがって、基礎力が十分ではない状態で、応用力の養成や過去問対策をしていかなければならない。ここが、家庭教師の腕の見せ所である。応用力養成や過去問対策をしながら、基礎力の充実を同時に図っていかなければならない。例えば、英語の長文読解の学習で It〜that の強調構文が出てきたら、そこで、thatの用法をまとめてみるのも基礎力の充実になるだろう。そして、その中で、強調構文の that の見分け方を指導するのが応用力の養成になるだろう。 補習対策の場合も同様である。予習どころか、場合によっては復習もできていない状態で、中間テストに向けて、学習を進めざるを得ない。したがって、現在の学習を大切にし、必要に応じて過去の内容を補充していくよう、指導を工夫していかなければならない。基礎力の充実の「基礎力」とは、実践的に問題を解くのに必要な「基礎力」のことであって、基礎から勉強することではないことを銘記しなければならない。 時間は、かなり限られてきている。如何に合理的に教えていくか、常に検討していただきたい。 |