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日本大学理工学部卒。千葉県の公立中学校の教師として勤め、理数科の教鞭を平成2年まで十数年とる。その後、現在まで家庭教師として活躍する。ホテル正月特訓の講師も勤める。毎日中学生新聞「プロ家庭教師の高校合格講座」数学執筆者。
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算数・数学は、主語が省略される場合が多い。計算が出来る生徒でも、国語力・読解力が弱いと戸惑ってしまう。算数・数学なりの読解力が必要である。理科も同じである。
パターンに当てはめて問題を解く生徒が多いせいか、計算が出来る生徒でも意外と基本的な簡単な問題に戸惑うことがある。基本的なことがわかっているようで、追求されるとわからない。これを注意して指導している。基本的なことが本当に理解できていないと、入試で受かるところでも、受からなくなってしまうからだ。
いつも出来ているのにテストの時に間違えてしまう生徒がいる。出来ないことを出来るようにするには、出来る方法を教えれば済むことだが、普段出来るものが緊張やプレッシャーで出来なくなるのを解消させるのは大変だ。ある生徒は「わかる問題は急いで解いて、わからない問題に十分に時間を使いたい」と言ったことがある。勉強は、ケースバイケースで、Aという生徒に正しいことだからBという生徒にも正しいということはない。この判断が難しいが、この生徒の場合は正しくないと判断した。出来る問題を急いでやるのは間違いの元である。出来ない問題が、その場で出来るようになることはまずありえない。テストで7〜8割取れば合格できるのであれば、「丁寧に」問題を解くべきである。「丁寧に」とは、ゆっくりと書くことではない。「丁寧に」をわかりやすく言えば「1行1行チェックすること」である。特にテスト中は、間違わないと思うものほど間違いやすい。ひとつの問題の解答が、他の問題に関連することは算数・数学ではよくあることで、ひとつの単純なミスが命取りになる。
ふくろう博士・古川のぼる先生から「70点が生徒を一番やる気にさせる点数」と、教えられ、実践している。90点は満足して向上しない。40〜50点は意欲を無くしてしまう。そこで最初に70点が取れる問題や宿題を出す。これで生徒はやる気になって、あとで少々難しい問題を増やしても点数は伸びていく。特に短期指導には効果的だ。
理科には力学や電流など目に見えない量を扱う分野があるが、目に見えない力を目に見えるように指導することは大切だ。最近は、中学受験などで、てこや滑車、バネなどの力をたくさん矢印で書かなくなった。力の矢印が確実に書けないと問題は解けない。実際、要領が悪くて物理に自信がないと言っていた生徒が矢印を書くことで急速に理論的に理解できるようになった。
私の説明に少しでもミスがあると生徒はすぐに指摘する。生徒は、たいへんよく聞いているのだ。そして私が「えらい!」と誉めると、とても生徒は喜ぶ。これもある意味、指導の作戦である。偉そうに教えると今の生徒は「先生だからわかるんだ!」と、いじけてしまう。要はどうやって生徒をやる気にさせるかである。 |