第258回 国語『クイズで探そう秋の季語』


※がついた熟語は、下に語句解説があります。

【第1問】

「馬追」うまおい
A:馬 B:追

生A、A子、出A、A具、人A、A車 → 生馬、馬子、出馬、馬具、人馬、馬車
B風、急B、B分、訴B、B加、B従 → 追風、急追、追分、訴追、追加、追従(ついしょう)

  馬追が電気コードに来て鳴けり…右城暮石

馬追(うまおい)は、鳴き声から別名スイッチョとも呼ばれます。
電気コード → スイッチからの連想が面白い句ですね。

【第2問】

「小鳥」「小鳥来る」
A:鳥

A目、文A、A居、放A、A貝、乙A → 鳥目、文鳥、鳥居、放鳥、鳥貝、乙鳥(つばめ)

  小鳥来る音うれしさよ板びさし…蕪村

俳句で「小鳥来る」といえば、秋に日本に飛来する小鳥、留鳥でも山地から下りてくる小鳥をいうので、小鳥は秋の季語ということになっています。
では、春になって日本を離れて帰るのは「小鳥帰る」なのかな? と思うと、春の季語では「鳥帰る」が一般的のようです。

【第3問】

「鬼灯」ほおずき
A:鬼 B:灯

A火、A才、赤A、A門、小A、A気 → 鬼火、鬼才、赤鬼、鬼門、小鬼、鬼気(きき)
B火、B下、点B、B台、行B、洋B → 灯火、灯下、点灯、灯台、行灯(あんどん)、洋灯(ランプ)

  をさな子の鬼灯盛るや竹の籠…正岡子規

昔の子どもたちは、鬼灯の熟した実を鳴らして遊んだと言います。
海酸漿(うみほおずき)は巻貝の卵嚢(らんのう)で、やはり口に入れて鳴らして遊んだそうですが、こちらは夏の季語になっています。

【第4問】

「薄」すすき
A:薄

A情、軽A、A口、手A、A紙、希A、A志 → 薄情、軽薄、薄口、手薄、薄紙(うすがみ)、希薄(きはく)、薄志(はくし)

  眼の限り臥しゆく風の薄かな…大魯

ススキは別名を尾花と言い、秋の七草に入っていますね。
ススキは正しくは「芒」だそうです。

※ 薄志…「寸志」に同じ。

【第5問】

「鹿」
A:鹿

A毛、河A、A鳴、馴A、A苑 → 鹿毛(かげ)、河鹿(かじか)、鹿鳴(ろくめい)、馴鹿(トナカイ)、鹿苑(ろくおん)

  ぴいと鳴く尻声悲し夜の鹿…芭蕉
  押しあふて月に遊ぶや鹿ふたつ…正岡子規

鹿は、繁殖期の鳴き声のもの悲しさから、秋の季語となっていますが、「鹿の子」は夏の季語、そしてオスの鹿の角が落ち、メスは出産する季節は「春の鹿」で、その成長の時期によって季語も変わります。

※鹿毛…馬の毛色で茶褐色
※ 河鹿…カジカガエル
※ 鹿鳴…『詩経』中の「鹿鳴」に基づく宴会の場、明治時代の社交場「鹿鳴館」が有名。
※ 鹿苑…インド、釈尊が悟りを開いて初めて法を説いた場所。鹿苑寺は金閣寺の正式の名称。

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