※がついた熟語は、下に語句解説があります。
【第1問】
「馬追」うまおい
A:馬 B:追
生A、A子、出A、A具、人A、A車 → 生馬、馬子、出馬、馬具、人馬、馬車
B風、急B、B分、訴B、B加、B従 → 追風、急追、追分、訴追、追加、追従(ついしょう)
馬追が電気コードに来て鳴けり…右城暮石
馬追(うまおい)は、鳴き声から別名スイッチョとも呼ばれます。
電気コード → スイッチからの連想が面白い句ですね。
【第2問】
「小鳥」「小鳥来る」
A:鳥
A目、文A、A居、放A、A貝、乙A → 鳥目、文鳥、鳥居、放鳥、鳥貝、乙鳥(つばめ)
小鳥来る音うれしさよ板びさし…蕪村
俳句で「小鳥来る」といえば、秋に日本に飛来する小鳥、留鳥でも山地から下りてくる小鳥をいうので、小鳥は秋の季語ということになっています。
では、春になって日本を離れて帰るのは「小鳥帰る」なのかな? と思うと、春の季語では「鳥帰る」が一般的のようです。
【第3問】
「鬼灯」ほおずき
A:鬼 B:灯
A火、A才、赤A、A門、小A、A気 → 鬼火、鬼才、赤鬼、鬼門、小鬼、鬼気(きき)
B火、B下、点B、B台、行B、洋B → 灯火、灯下、点灯、灯台、行灯(あんどん)、洋灯(ランプ)
をさな子の鬼灯盛るや竹の籠…正岡子規
昔の子どもたちは、鬼灯の熟した実を鳴らして遊んだと言います。
海酸漿(うみほおずき)は巻貝の卵嚢(らんのう)で、やはり口に入れて鳴らして遊んだそうですが、こちらは夏の季語になっています。
【第4問】
「薄」すすき
A:薄
A情、軽A、A口、手A、A紙、希A、A志 → 薄情、軽薄、薄口、手薄、薄紙(うすがみ)、希薄(きはく)、薄志(はくし)
眼の限り臥しゆく風の薄かな…大魯
ススキは別名を尾花と言い、秋の七草に入っていますね。
ススキは正しくは「芒」だそうです。
※ 薄志…「寸志」に同じ。
【第5問】
「鹿」
A:鹿
A毛、河A、A鳴、馴A、A苑 → 鹿毛(かげ)、河鹿(かじか)、鹿鳴(ろくめい)、馴鹿(トナカイ)、鹿苑(ろくおん)
ぴいと鳴く尻声悲し夜の鹿…芭蕉
押しあふて月に遊ぶや鹿ふたつ…正岡子規
鹿は、繁殖期の鳴き声のもの悲しさから、秋の季語となっていますが、「鹿の子」は夏の季語、そしてオスの鹿の角が落ち、メスは出産する季節は「春の鹿」で、その成長の時期によって季語も変わります。
※鹿毛…馬の毛色で茶褐色
※ 河鹿…カジカガエル
※ 鹿鳴…『詩経』中の「鹿鳴」に基づく宴会の場、明治時代の社交場「鹿鳴館」が有名。
※ 鹿苑…インド、釈尊が悟りを開いて初めて法を説いた場所。鹿苑寺は金閣寺の正式の名称。
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