第255回 国語『クイズで探そう春の季語』


※がついた熟語は、下に語句解説があります。

【第1問】

「独楽」こま
A:独 B:楽

A語、単A、A自、数A、A活 → 独語、単独、独自、数独、※独活(うど)
神B、苦B、楽B、気B、文B → 神楽(かぐら)、苦楽、楽団、気楽、文楽

  飾られて土といふもの知らぬ独楽…田中春生

昔は新年の風物詩だった独楽まわしや羽根つき。
今では外で遊ぶ子どもたちの姿も少なくなり、幼稚園や保育園で伝統を繋いでいるところが多いようです。
そして、独楽まわし大会、羽根つき大会で脚光を浴びるのは子どもたちより、お父さんやお母さん…いや、おじいちゃん、おばあちゃんかもしれないですね!(^^;

※独活…「独活の大木」でお馴染みの植物

【第2問】

「注連飾」しめかざり
A:注 B:連

A目、脚A、A水、発A、A文 → 注目、脚注、注水、発注、注文
B歌、常B、B理、外B、B合 → 連歌、常連、※連理、※外連(けれん)、連合

  ゴルフ場自生の羊歯(しだ)の注連飾…山口誓子

七、五、三本の順に藁縄(わらなわ)を綯(な)って垂らすので「七五三飾」とも書きます。
注連飾の「しめ」の由来は占めるの意味で、神が占有している神聖な場所を表しました。

  注連縄のあたり光のとどまりぬ…西原天気

※連理…中国の詩人、白居易(はくきょい)の『長恨歌』から。「比翼の翼」「連理の枝」といって、仲のいい夫婦のたとえ。

※外連…歌舞伎や人形浄瑠璃の奇抜な演出。
現代では「外連味(けれんみ)がない」という使い方で、ウケねらいのハッタリやわざとらしさがないことを言う場合が多いですね。

【第3問】

「去年今年」こぞことし
A:去 B:年 C:今

A来、過A、A就、消A、A勢 → 去来、過去、去就、消去、去勢
B来、同B、B子、B波、留B → 年来、同年、年子、年波(としなみ)、留年
C昔、古C、C風、C様、C生 → 今昔、古今、今風、今様、今生(こんじょう)

  命継ぐ深息しては去年今年…石田波郷

中学、高校受験を経験した方は、次の俳句の方が聞いたことがあるかもしれないですね。

  去年今年貫く棒の如きもの…高浜虚子

新年の季語は、他にも「鏡餅」「門松」「初夢」「七草粥」「福寿草」…など、たくさんあります。

【第4問】

「衣更着」きさらぎ
A:衣 B:更 C:着

着A、上A、A鉢、白A、浴A、A A → 着衣、上衣、※衣鉢(いはつ)、白衣、浴衣(ゆかた)、※衣衣(きぬぎぬ)、
B地、B新、変B、B生、深B、満B → 更地、更新、変更、更生、深更、満更(まんざら)
C地、新C、C物、愛C、C目、決C → 着地、新着、着物、愛着、着目、決着

  衣更着のかさねや寒き蝶の羽…広瀬維然

「かさね」は、「襲(かさね)」で王朝の女性の衣服、十二単(じゅうにひとえ)など。
衣更着は「如月」で、二月だけどまだ寒いので衣服を重ねて着ることから名付けられたといいます。
「蝶の翅は襲のように美しいが、如月の寒さの中ではもう一枚襲を重ねた方がよさそうだ」の意。

※衣鉢…仏教用語で三衣(さんえ)と一鉢。「衣鉢を継ぐ」は、宗教や芸術、学問などで、師から弟子に奥義(おうぎ)を伝えること。
※衣衣…後朝とも書き、夜を共にした男女が、それぞれの衣を着て別れること。

【第5問】

「猫の恋」
A:猫 B:恋

A脚、山A、A車、A糞、A又 → ※猫脚、山猫、猫車、猫糞(ねこばば)、猫又(ねこまた)
B人、B路、色B、B情、B敵 → 恋人、恋路、色恋、恋敵、恋情

  おそろしや石垣崩す猫の恋…正岡子規

猫の発情期は年に数回ありますが、季語としての「猫の恋」は早春。
「猫の恋」では次の句が有名です。

両方に髭があるなり猫の恋…小西来山

漱石がこの句を見つけて大笑いしているのを、妻に見咎められたというエピソードがあります。

※猫脚…アンティークなデザインのテーブルなどの脚。優雅な曲線が猫の脚に似ている。
※猫又…想像上の妖怪。化け猫。
又の字は正しくは猫叉。「又」は普通に使う「明日も又」のように、再びの意味だが、「叉」は先が二股に分かれていること。

閉じる