英語を日本語に訳すことはできるんだけど、困ったことにその日本語の意味を理解することのできない高校生が何と多いことか!大学入試レベルになると、長くて難しい文章が多くなるから大変だ。まず、日本語で良い文章をたくさん読むことが大切。日本語もできないのに、英語がわからないのは当然だと思うよ。
また、文章が難しくなるから、相手の言いたい事をきちんと理解するためには、相手の生活(文化)をよく知っていることがますます大事になってくる。『昨日は気温が70度もあって暖かかったねぇ。』とか、『彼がハイウェイを毎時60のスピードで運転するので怖かった。』という英文が出てきても何にも不思議に思わない人もいる。日本で70℃もあったら、みんな死んでるよね。それに、時速60kmだったら、高速道路では後ろからクラクション鳴らされちゃうかもしれないよ。英米では、普通、温度の単位には華氏(Fahrenheit)を使う。華氏70度はだいたい20℃くらい。また、距離の単位にはマイル(mile)を使う。時速60マイルはだいたい時速100kmくらいかな。こういうことに疑問を持たない人は、ただ訳しているだけで、言語が、筆者(語り手)の言いたい事を読者(聞き手)に伝えるためのコミュニケーションの道具だということを、すっかり忘れているんだね。
英語のジョークがわからないのもその辺に原因がある。アメリカ人は当然、アメリカの有名人をジョークのネタにするんだけど、その人の事を知らなければジョークがわからないのも当然だよね。(例えば、ビリー・グラハムって言う有名人、知ってる?)だから、英文を読むためには、言葉だけではなく、英米のいろんなことを知っていることが力になるんだ。雑学だって、ばかにならないんだよ。
とはいっても、来年受験だから、そんなことしている暇がないんだ、と叫んでいる君。そんな君にちょっとアドバイス。第1に、辞書を引くことを面倒くさがらないこと。そして、辞書の記号の意味をきちんと理解すること。僕の生徒に、『辞書には何でも書いてあるんですねぇ。』といってくれた子がいて、その子はもちろん志望校に合格した。辞書は知識の宝庫なんだから十分に活用してくれたまえ。第2に、一人で電車に乗っているときなどに、見たこと聞いたことを、頭の中で英文にしてみること。結構大変だし、自分が何にも表現できないんだということに愕然とするかもしれないけど、英語で発想する力が徐々に付いてくるよ。
さて、今回の講義はこれでおしまい。具体的な勉強方法には触れなかったけど、今日の話から、自分の勉強の仕方を見直してみてくれることを願っている。まあ、できるだけ楽しく英語と付き合っていって欲しいな。
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